広島工業大学

  1. 大学紹介
  2. 学部・大学院
  3. キャンパスライフ
  4. 就職・資格
  5. イベント情報
  6. SNS一覧
  7. 施設紹介
  8. 2024年度以前入学生の学部・学科はこちら→

広島工業大学

情報工学科

鬼追 一雅

教員紹介

鬼追 一雅KIOI Kazumasa

情報学部 情報工学科 教授

研究紹介

研究者情報

プロフィール

【専門分野】
○集積回路工学
○情報の物理
○非ホロノミック系運動情報工学
【担当科目】
回路入門 、 デジタル制御 、 組込みシステム 、 HIT基礎実践 、 HIT応用実践
【研究テーマ】
1.セルトのスピン反転動作に関する情報工学的研究
2.近赤外線分光画像処理によるHb分布時間変化測定法の研究
3.可逆計算回路による超低消費電力化LSIの研究
【ひとこと】

学生時代は自由な時間が多い時期です。遊ぶも良し、勉強に打ち込むも良し。これからの人生の糧となるように、有意義な学生生活を過ごしてもらいたいものです。

研究紹介

鬼追 一雅KIOI Kazumasa

情報学部 情報工学科 教授

LSIは、スマートフォンやIoT機器など
情報システムの『頭脳』だ
PROLOGUE

スマートフォンやスマートウォッチの中をのぞいてみたことがありますか? 黒や銀、金の小さな部品がビッシリと詰め込まれているのがわかるでしょう。これらのうち、中核的な役割を担うのがLSIと呼ばれる部品です。鬼追先生はかつて民間企業の研究所で、LSIの研究開発に長く携わっていました。「LSIの集積度が上がるに連れてLSIが処理できることが驚異的に増加しました。スマートフォンが実現したのは、『頭脳』であるLSIの発展があったからと言えます」。LSI技術の研究開発に携わっていた先生は今、その経験と知識を活用し、情報工学的アプローチで様々な問題に取り組んでいます。

1個のLSIに、何億個ものトランジスタが詰まっている

スマートフォンはあんなに小さなサイズなのに、通話はもちろんメール、ネットサーフィン、動画撮影やネットゲームまでできます。これは、微細化の進展によって、小サイズで集積度が高く、複雑な制御をこなすLSIが実現したから可能となったのです。最先端技術ではトランジスタの加工サイズは10ナノメートル以下になっています。なんとコロナウィルスの10分の1以下の大きさです。トランジスタのサイズが小さくなると、同じ面積のLSIに搭載できる回路の数が増え、より高度な処理ができるようになるわけです。LSIは21世紀のAI時代にも欠かせない基幹部品です。
私はこれまでに、通信と放送の融合システムを実現するためのOFDM復調プロセッサや、文字認識プロセッサなどの研究開発を経験しました。本学着任後はパターン分離プロセッサやエッジノードプロセッサなどの研究を経て、科学玩具の情報工学へと研究分野を開拓してきました。

動画像から血中酸素飽和度を計測できるシステムを開発

その中の一つに、「反射光による血中酸素飽和度測定システム」というのがあります。新型コロナウィルスのパンデミックによって血中酸素飽和度を測定できるパルスオキシメータが一般の人にも身近になりました。パルスオキシメータは指に挟んで使用しますが、私が研究していたシステムはカメラを使って撮影した画像データからパターン分離法という独自手法を利用して動脈血の血中酸素飽和度分布を測定します。動画像から取得できるので動脈血の流れをも捉えることができます。いずれは血栓の位置をリアルタイムで検出できるようになるかもしれません。
学生にはFPGAと呼ばれる、回路変更可能なLSIを使って専用LSIの設計も経験させています。信号処理がうまくいくかどうかをシミュレーションで確認しながら設計を進めます。
ソフトウェアだけでなく、自分で作製したハードウェアが動作すると、喜びもひとしおです。

学生たちとともに、ハード・ソフトの双方を
活用した新たなシステムを開発

ハードウェアとソフトウェアの両方を学べることが、情報工学科の学生の強みになる

私は学生に、可能な限りLSIや他のハードウェアに関する知識を習得させたい、と考えています。それは、ハードウェアの知識を持っておくことが、社会に出た後、大いに役立つからです。情報学部には「SEになりたい」と志望する学生が大勢いますが、SEであってもハードウェアの知識がないと、適切なシステムが組めません。だからこそ情報学部の学生に、ハードウェア設計を経験させるのです。
最近は組込みマイコンと小型IMU(慣性計測装置:ドローンなどに使われている)、3Dプリンタ、ハイスピードカメラなどの最先端デバイスを利用して、100年越しの謎である、セルトと呼ばれる玩具の運動特性解明に取り組んでいます。こうした経験により、最先端デバイスを使いこなす技術が身につくわけです。
またゼミの学⽣は、毎週、⾃分の研究の経過についてレポートをまとめ、全員の前で発表しています。企業に⼊ると、⾃分の思い通りに開発を進められることは、まずありません。いろんな場⾯で報告書をまとめ、それを基に様々な⽅⾯から了解を得て、合意に⾄ってようやくスタートするのが当たり前。発想⼒だけでなく、コミュニケーションの⼒も必要とされるのです。レポートは、そのための訓練。レポートでまとめ、全員の前で発表する訓練を学⽣の頃から繰り返しておけば、社会に出た時に困らなくて済むでしょう。様々な経験を積み、社会で役立つ力を育成したいですね。

社会で即戦力として活躍するための
知識と経験を修得しています