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情報マネジメント学科

青木 真吾

教員紹介

青木 真吾AOKI Shingo

情報学部 情報マネジメント学科 准教授

研究紹介

研究者情報

プロフィール

【専門分野】
○オペレーションズ・リサーチ
○ナレッジマネジメント
○意思決定支援システム
【担当科目】
情報コミュニケーション概論 、 問題解決法 、 オペレーションズ・リサーチ 、 ファイナンシャル・マネジメント 、 データマイニング 、 ビジネスデータサイエンス 、 地域課題解決実習
【研究テーマ】
1.包絡分析法を用いた事業体評価手法に関する研究
2.数理計画法に基づく判別分析法に関する研究
3.意思決定支援のための数理計画法の適用
【ひとこと】

世の中楽しいことでいっぱいです。前向きに生きていきましょう。

研究紹介

青木 真吾AOKI Shingo

情報学部 情報マネジメント学科 准教授

「他教科はダメだけど、数学だけは抜群に得意」
という生徒を、適切に評価するには?
PROLOGUE

中学や高校には語学や数学、社会など主要5教科と言われるものがありますね。どの教科も均等に良い成績を上げるのが理想だけど、なかなかそうはいきません。「数学の成績は誰よりもいいけれど他教科はダメ」「理系科目は得意だけど、文系科目は苦手」という人もいるでしょう。生徒の得意・不得意まで見据えた上で、能力を適切に評価できる方法はないものでしょうか?そうした問題を解決するための数式モデル構築に取り組んでいるのが、青木先生です。

テストの点を合計して平均するだけでは、生徒の個性が見えてこない

5人の生徒に、数学と英語のテストをやってもらって学力を測る場合、従来はテストの点を合計し、2で割って出した平均で評価することが大半でした。しかし「数学80点・英語20点」「数学10点・英語90点」「数学50点・英語50点」の人は全員「平均50点」です。これで正しい評価と言えるでしょうか?
そこで、縦軸を「数学のテスト結果」、横軸を「英語のテスト結果」として、5人分のテスト結果を配置したグラフを作成。グラフの原点から一番遠くにある点同士を直線で結びます。この結んだ線を『効率的フロンティア』と呼び、効率的フロンティア上にある生徒の結果は全て100点と考えます。フロンティア内側の点は、フロンティアからどれだけ離れているか、によって配点していくのです。
このやり方なら、「数学は得意だけど英語はニガテ」といった人の個性をきちんととらえた評価ができます。生徒の人数や科目数が増えても、同様の方法で評価可能。これを『包絡分析法(DEA)』と言います。DEAを行うための数式モデルづくりが、私の研究テーマの一つです。

グラフの外側の線を結んで
『効率的フロンティア』を形成し、
従来型でない評価を行います

包絡分析法を用いれば、部活やボランティア活動に対する適切な評価も可能

目的を達成しようとする時、様々な情報を使って問題を定量的にとらえ、科学的に解決策を見出す『オペレーションズ・リサーチ』という考え方があります。元は戦争で相手に勝つために始まった分野ですが、今では企業が経営判断を下す際などに応用されています。
私の研究するDEAもオペレーションズ・リサーチの手法の一つ。企業を評価する場合、売上や利益に注目するのが一般的ですが、「製品の質が優れている」「営業力がある」といった企業の強みは、売上だけではわかりません。また、大学や病院など公共性の高い組織の実力は、学生数や売上などだけでは判断できないものです。私は、そういった『個性』や『独自性』などを考慮して結果を判断するモデルを作っていきたいんです。
学生の能力は、数学と英語のテストだけでは測れません。例えば部活は、ボランティア活動は、クラスにおける協調性やリーダーシップは…なども、学生の個性を構成する要素。DEAを用いれば、これらも取り入れて評価するモデルが構築できるのです。

学会発表で、
「ベストプレゼンテーションアワード」
も受賞

様々な情報に光をあて、活用することで、世の中に役立つ評価モデルを構築

DEAとは違った手法として、ベイズの定理を基とした『逆確率』にも取り組んでいます。
逆確率は「5回に1回は帽子を忘れてくる人が、A、B、Cの3つの家を順に訪ね、帰宅後、帽子を忘れたことに気づいた。この場合、Bの家で帽子を忘れた確率は?」といった問題を解くことに応用されます。「帽子を忘れた」という結果から、「どの家で忘れたか?」という原因を確率的に推測するわけです。この手法は、迷惑メールの振り分けや、検索エンジンにおける検索ワードのヒット数向上などいろんな分野で活用されています。
以前「ナースコールの原因を推測」する研究も行っていました。病院で「ナースコールのあった時間」と、「患者がコールした理由」という情報を収集。これを分析し、ナースコールのあった時間から、なぜ患者がコールしているか予測するわけです。誰でも他人から訳もわからず呼び出されるのはストレスを感じるものですが、あらかじめ原因が予測できれば心構えできますからね。これも逆確率を応用したものです。
DEAや逆確率の研究から生まれた数式モデルをベースに、最終的にはアプリケーションとして世の中に広く提供できれば…と考えています。適切なモデルをアプリという形で提供し、ボタン一つで評価できるようになると、一般の人も使いやすいでしょう。
様々な情報に光をあてることで、企業の経営判断を始め、公共機関や学校評価、学生の能力評価など、幅広い領域に役立つモデルを確立したいですね。

ゼミには、情報分析に関心のある
学生が大勢集まっています