学長Meddage

学長あいさつ

学長 長坂 康史

見えない未来を切り拓く技術者を生み出す、
新教育プログラム「HIT.E ▶2024」

広島工業大学では創立から約60年にわたり、学生一人ひとりに寄り添いながら、技術だけでなく自然や環境にも目を向けるなど、幅広い視野をもって社会に貢献できる倫理観のある技術者の育成に取り組み続けています。近年では、専門的な知識だけでなく、変化し続ける社会を的確に捉え、その時々のニーズに合わせた技術の活用方法を提案し実行できる、真に社会に貢献できる技術者が求められるようになってきています。そこで本学は、2020年4月、大きく変化していく社会で未来を切り拓くことができる技術者を育てる新教育プログラム「HIT.E ▶2024」をスタートさせます。

[専門力][人間力][社会実践力]を養成するこの教育改革では、学生が能動的に学び、経験を重ね、自ら成長し続けられるようになることに重点を置いています。確かな[専門力]の養成では、学生自身がカリキュラム体系を理解し、自らのキャリアを意識した履修ができるよう工夫しています。豊かな[人間力]の養成では、学生のさまざまな活動への積極的な参加や自ら企画・立案した新しいことへの挑戦への支援などを行い、幅広い活動への取り組みを促します。また、課題を発見し協調しながら解決していく[社会実践力]の養成では、学年の枠を越え実社会に関わる課題をグループで解決する体験をし、社会で活躍できる総合的な力を養います。このような経験を積み重ねることにより、広く社会を知り、先行きの見えない時代において、課題を発見し解決策を提案、実行できる技術者を育成していきます。

これからも地域に根ざした大学として、企業や社会と手を携えながら、グローバル化時代において地域社会に貢献できる人材の輩出に力を注いでいきたいと思います。

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専門力と人間力、そして社会実践力を備えた
次世代の技術者を育てるために。

新教育プログラム「HIT.E ▶2024」

社会構造が急速に、かつ大きく変化するなか、これからの予測困難な社会を支える人材には、他者とともに自ら切り拓き発信していく、あらゆる環境の変化に対応できる力が求められています。創立から約60年にわたり、本学がめざし続けてきた「社会に貢献できる技術者の育成」を叶えるために、2016年から、確かな[専門力]、社会人としての基礎となる[人間力]を養成しています。さらに2020年からはこれまでの教育に加え、4年間をかけて行う教育改革を通して、自ら課題を発見し仲間とともに解決していく[社会実践力]も備えた、この先の社会で真に活躍できる技術者を育んでいきます。

社会実践力 人間力 専門力

  • 社会実践力
  • 専門力
  • 人間力

HIT.E2024

[社会実践力]を形づくる、未来を拓く3つの力。

近年求められている、先行きの見えない未来を切り拓く力を身につけるため、
新たに3つの力に着目して次世代の人材を育成していきます。

  • Act & Thinking
  • TeamWork
  • Glocal

ともに課題を発見し解決する力 Act&Think+ing

実社会では、答えが決まっていない課題に対して仲間とともに協働し、
試行錯誤しながら主体的に取り組む実践的行動力が求められています。
また、「今」に満足せず広くアンテナを張って課題を発見する力、
その課題を解決するための方法やプロセスを考え抜く力を磨くことで、
新しい価値を生み出す創造的スパイラルが身につきます。

実社会での活用例 社会のニーズを予測しながら課題を発見し、新たなイノベーションを他者とともに実現する

カリキュラムを一新

3つの領域の新カリキュラムで、
学生の「主体的な力」を育む。

「HIT.E ▶2024」では、大学から社会への持続性をもたせ、低学年時だけではなく、リベラルアーツ教育科目を4年間で履修する仕組みを導入しています。また教養教育と専門教育の融合をめざして、「リベラルアーツ教育科目領域」「社会実践教育科目領域」「専門教育科目領域」の3つの領域でカリキュラムを再構築します。社会実践教育科目領域では、初年次から学科の学びに基づいた社会と繋がるテーマについてグループで課題に取り組み、自らのキャリアを見つめるとともに、高いコンピテンシーと倫理観を持った技術者を育成します。

社会とつながる実践的学び

実社会とつながる課題に、
グループで取り組む。

1年次の前期から2年次の後期まで、全てのクオーターで開講する「社会実践科目」では、約20名のグループでの履修を基本とし、協働して課題に取り組みます。テーマとして取り上げるのは、それぞれの学科の学びと社会にかかわる課題。社会とつながる実践的な学びとして、多様な人と目標に向けて協働し、自ら課題解決を進める経験を重ねます。教員全員が担当し、一丸となって学生をサポートします。

HITチャレンジ

学生の挑戦を支える、自主企画
プログラム支援制度。

HITチャレンジ制度は、大学生活で「こんなことをやってみたい」「新しいことに挑戦してみたい」という思いを応援する制度です。学生が自主的に企画を立て、審査の結果、プログラムが採択されれば最高100万円が支給されます。2019年度は、10件のプログラムが採択され、各団体が活動しています。

地域や国際社会で活躍できる力 GLOCAL+ING

情報技術の進歩は、距離によって隔てられていたコミュニケーションの質を変え、
世界と地域、そこにある縮尺という概念も変えました。
それは、あらゆる場面でグローバル化が進み、ローカルであっても高い語学力と
他国の文化を理解し受容する教養の深さを求められる時代の幕開けを意味します。
グローバルな視点で物を考えつつ、必要に応じてローカルで行動する
新しい人材が求められています。

実社会での活用例 地域の企業で、
海外への発信・事業展開のキーパーソンとして活躍する

産官学連携

地域や企業の課題解決に
在学中から取り組む。

住民自らの的確な避難判断を支える自然災害減災情報システムの開発や機能性食品の開発など、地域団体や企業からの共同研究などにかかわることによって、各学科で学んでいる専門知識が、実社会でどのような課題解決につながっているのかを学生に体感させる機会を設けます。地域の「今」を知るとともに、技術者として社会に貢献するための方法を模索することができます。

多様な国際交流

異なる価値観を受け入れ、
国際的視野を育む。

海外留学のサポートに加えて、日本に不慣れな留学生に対して日本語学習や生活面での支援などを行う「国際交流ボランテイア」や、韓国、ベトナム、フランス、ニュージーランドなど、広島在住のさまざまな国の方を招いて出身国の文化・事情、彼らから見た日本の文化・習慣についての講演やアクティビティで交流を図る「国際交流の夕べ」など、多様な国際交流の場を設けます。

学び合い成長し続けられる力 Progress+ING

さまざまな新しい技術が生まれ、環境やツールが変化していく
これからの社会では、最新の情報や知識、リテラシーについて
常にアンテナを張りつつ異なる立場の人と連携しながら同じ課題を解決し、
学び成長していく、自己研鑽力がますます必要とされています。

実社会での活用例 最新の情報・技術を常に学びながら第一線の技術者として活躍し続ける

発展トラック

一歩先の学びに挑戦できる、認定システム。
認定者は特待生選考対象に。

専門力と人間力を積み上げている学生に、さらに進んだ学びの機会を与える認定システムです。基準以上の成績とHITポイントを取得した学生は「発展トラック」に認定されます。4年次には大学院の科目を履修できるなど、より幅広く授業や講座を履修し、技術者としての専門知識を深めることができます。授業料や施設設備資金が減免される特待生の選考対象にもなっています。

年次混成の学び合い

協働力を高める、異なる年次の
学生同士での学び合い。

1年次・2年次の学生が同一グループで課題に取り組むなど、年次混成での学び合いを導入します。異なる立場の人と連携しながら同じ課題を解決していくことにより、自分の意見を分かりやすく伝える発信力、相手の意見を引き出す傾聴力、意見や立場の違いを理解し尊重する柔軟性、チームの中で自分がどのような役割を果たすべきか理解する状況把握力などを磨きます。

ポートフォリオオリジナルシステム

PDCAサイクルを支える、
学生ポートフォリオシステム。

履修計画や課外活動、将来設計、就職活動など、大学で経験するさまざまな活動について、時系列で記録する本学オリジナルシステムを導入しています。記録された情報はいつでも確認することができ、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルを支え、学生自身がこれからの方向性を決めて成長していく指針となります。この情報を教職員と共有し、目標を共有することで、きめ細かいサポートを可能にします。

HIT.E2024

専門分野への深い理解と幅広い知識、
柔軟な思考力を備える[専門力]。

先行きの見えない社会のなかで技術者として活躍していくためには、
専門分野に対する深い理解と知識に加えてそれらを応用するための
幅広い教養や他分野の知識、柔軟な思考力が必要とされています。

実社会での活用例 門外の分野とも掛け合わせながら、社会や組織の課題を解決する新しい技術を生み出す

カリキュラム・ツリーとナンバリング

確実な学修成果を達成するために、
授業科目の関連性・順次性を明示化。

教育課程の体系的な学びを確実にするために、学びの全体像を明らかにします。順次性や関連性を重視した授業科目を年次配当し、それを系統的に表示したカリキュラム・ツリーを作成。さらに、学科の各科目に体系的理解を助ける数字をナンバリングします。このカリキュラム・ツリーとナンバリングの利用により、学生一人ひとりが学びの全体像を理解しながら、各自の目標に向けて着実に学んでいくことを可能にします。

大学院連携プログラム

大学院までを意識した
実践的思考力を身につける。

1年次から、各学科の学びと実社会を結びつける講義を導入することにより、学びを社会でどう活かすべきか、自らの将来像も描きながら専門知識を深めていきます。また、教養科目は1・2年次を対象とするもの、3・4年次を対象とするものを分けて設定し、段階的に幅広い教養を身につけられるようにしています。大学院の講義の先行履修ができるシステムも導入し、実践的な思考力を育てます。

HIT.E2024

社会人として活躍するための
基礎となる「人間力」。

実社会の中で活躍していくためには、
知識や技術を身につけることだけでなく、他者を理解し、
関係を築きながら自らの考えを発信し行動していくことが必要とされています。

実社会での活用例 企業などの組織の中で他者と協働しながら自らの考えを発信し活躍する

HITポイントを導入HITポイントを導入

課外活動の数値化で
「人間力」向上をめざす。

心豊かな生活を提案し形成できる技術者になるためには、専門知識だけではなく、社会と環境に配慮できる倫理観や実践力が必要です。そうした社会で必要とされる「人間力」を向上させるため、社会貢献活動、自己啓発活動などの自らの成長につながる行動を測る指標としてHITポイント制度を導入しました。

インターンシップ

短期・長期の就業体験で、
実社会に触れる。

実際の企業や公共団体などの職場において、夏休みを利用し、就業体験を行うインターンシップを実施しています。実習期間が約2週間の「インターンシップ」と、実習期間が約1ヵ月の「産学連携実習」の2つのコースがあり、仕事の面白さややりがい、自分の適性を見つめ、自らの将来像を明確にすることができます。

JCDセンター

キャリア形成や就業支援を通して、
高い志を持った女性技術者を育成。

多様な活動を通じて企画力や実行力を身につけ、キャリアについて考えるための機会を用意。自らを高めるきっかけづくりをおこなう「キャリア形成支援」、女子学生に特化した就職活動準備講座やチューター制度、長期的に自分のキャリアを考えるための講演会やOG講演会、OG懇談会などをおこなう「就業支援」をメインテーマとして、女子学生の技術者としての意識と社会人スキルを高める活動をしています。