「平成28(2016)年度HITチャレンジ結果報告会」で活動成果を披露 挑戦の軌跡を披露。
2017.04.14
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取組みの成果を発表する晴れ舞台
学生のチャレンジを支援する広島工業大学独自の制度「学生自主企画プログラム(HITチャレンジ)」。採択されたプログラムには、最高50万円の活動資金が支給されます。今年度は、昨年7月の選考会で8組の団体が採択され、各団体がそれぞれの目標に向かって、創意工夫を凝らして取り組んできました。
3月3日、「平成28(2016)年度HITチャレンジ結果報告会」を開催し、活動内容とその成果を発表しました。
2016年度採択プログラム
【一般部門】
「ピタゴラ装置で学ぶ生物保護と災害」 GREEN project
「災害時における鶴記念体育館の活用方法」 建築屋たち
「クラウドにつながる組み込み機器のシステム開発」 HIT-LAB
「電気自動車でエコランだ~乾電池40本のチャレンジ」 HIT-EV
「いっこくも早く つたえよう~いま ちいきのためにできること~」 いついち学生防災士会
「HITPRロボット」 HITチャレンジャー
「二重螺旋構造を利用した新しい風力発電の製作」 HIT POWER GENERATION
【ボランティア部門】
「広島工業大学周辺の地域貢献」 街の建築屋さん
「失敗を恐れずにチャレンジし、多くの経験を積んでひと回りもふた回りも成長したみなさんの姿と、活動の報告を楽しみにしています」と自主企画選考委員会委員長の鶴学長。
学生たちのチャレンジとその成果
- 【一般部門】
- GREEN project「ピタゴラ装置(※)で学ぶ生物保護と災害」(※NHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」より)
地球環境問題への興味喚起を目的に活動を行うGREEN project。子どもたちが楽しく学べるツールとして、ウミガメの生育環境の悪化を表現した「生物保護編」、豪雨災害発生のメカニズムを表現した「災害編」、2つのピタゴラ装置を製作しました。「生物保護編」は、「はつかいち環境フェスタ」(10月)と「文化と健康フェスティバル」(11月)で展示を実施。子どもたちはもちろん、幅広い年代の方々に楽しんでいただきました。「災害編」では動画を制作しました。インターネットへのアップロードをめざし、現在も活動しています。
- 建築屋たち「災害時における鶴記念体育館の活用方法」
東日本大震災発生以来、災害に関連した活動を行っている建築屋たち。今年度は、鶴記念体育館の模型を製作し、災害時における鶴記念体育館の活用方法を考えました。備蓄品の現状と問題点、プライバシーを確保するための方法、地域のコミュニティを考慮した間仕切りの提案など、さまざまな角度から体育館の活用を検討しました。また、佐伯区役所や地域住民の方々と意見交換会を行うことで、年齢による不安の違いなどの知識を得ることができました。
「展示会場でのアンケートでは、『楽しんだ』という意見が100%、『環境保全に興味を持った』という意見が96%と、うれしい結果が得られました」(GREEN project)
「地域の方々との意見交換会では、物資の運搬といった力仕事、掃除、話し相手など、災害時における学生への期待が大きいことが分かりました」(建築屋たち)
- HIT-LAB「クラウドにつながる組み込み機器のシステム開発」
HIT-LABがめざすのは、組み込みアプリケーションの企画・開発・プレゼンテーションを競う全国規模の大会「D2Cコンテスト」での優勝です。2チームに分かれて、凹凸による道路の危険個所を地図上に表示する「道路の凹凸危険判断システム」と、騒音トラブルを未然に防ぐ「音センサによる騒音検知システム」を開発しエントリー。残念ながら優勝は逃したものの、2チームとも、参加32組のうちの8組に選ばれ、みごと決勝大会出場を果たしました。
- HIT-EV「電気自動車でエコランだ~乾電池40本のチャレンジ」
充電式乾電池を動力とした次世代エネルギーカーレース「Ene-1GP」で上位入賞をめざすHIT-EVは、8月に開催された「Ene-1GP SUZUKA」と、12月に開催された「Ene-1GP MOTEGI」に出場。「Ene-1GP SUZUKA」では、総合タイムが昨年度より約21分早くなり、その結果、みごと大学・高専・専門学校部門で準優勝に輝きました。また、新マシンの製作にも着手。夏休み期間を利用して型を製作しました。大会出場で得た知識を生かし、来年度も新マシン製作を進めていきます。
「システムの有用性だけでなく、ビジネスモデルとして利益を出す仕組みを考える必要があることなど、実社会でも役立つ知識を得ることができました」(HIT-LAB)
「オープンキャンパスでのマシン展示では、多くの高校生に興味を持ってもらうことができました。わかりやすく説明することの難しさを感じましたが、それもいい経験になりました」(HIT-EV)
- いついち学生防災士会「いっこくも早く つたえよう~いま ちいきのためにできること~」
防災士の資格を取得した学生ならではの発想で、子どもたちが防災について楽しく学べるイベントを開催しました。動物の動きをまねして災害時の行動を学ぶ「防災ダック」(幼児対象)、大雨の危険性や身の守り方を学ぶ「夏季防災イベント」(小学生対象)、身近なものを使った防災グッズづくりや危険を見つける街歩きを行った「冬季防災イベント」(小学生対象)など、多彩なイベントで子どもたちの防災意識を喚起しました。
- HITチャレンジャー「HITPRロボット」
ロボット製作における総合的な技術習得をめざす1年次生のチームHITチャレンジャーは、二足歩行ロボットによる1対1バトル「ヒューマノイドカップロボットバトル大会」に出場しました。出場15チーム中14位と、残念ながらいい結果は残せなかったものの、果敢に挑戦したことで、ロボット製作やプログラミングの知識、チームワークの大切さなど、さまざまなことを学ぶことができました。
「試行錯誤しながら作った『防災すごろく』が好評だったので、今後も活用していきたいと考えています。防災の知識だけでなく、子どもに分かりやすく説明する力が向上しました」(いついち学生防災士会)
「他の人が製作したロボットをたくさん見ることができ、ロボット製作に対するモチベーションが向上しました。来年度も大会に参加して、上位をめざしたいです」(HITチャレンジャー)
- HIT POWER GENERATION「二重螺旋構造を利用した新しい風力発電の製作」
発展トラック学生に認定された1年次生で構成されたHIT POWER GENERATION。風の強さと向きによって発電量が左右される風力発電。この問題点に着目し、あらゆる方向からの風をキャッチできる、より効率のよい二重螺旋構造の発電機を考案。その模型を製作しました。羽の素材や密度、回り方、風速を変えながら実験を繰り返し、発電量を測定。模型の発電データを取得しました。
- 【ボランティア部門】
- 「広島工業大学周辺の地域貢献」 街の建築屋さん
地域貢献を目的に発足した街の建築屋さんは、まず地域住民のニーズや地域の問題点を把握するため、聞き込み調査をしました。その結果、建築工学科の知識が生かせる貢献として、公園に雨宿りできる憩い空間を建設することを企画。実際に三宅第一公園に東屋を建設して寄贈しました。企画から完成まで、地域住民の方々にヒアリングしながら進めたことで、ニーズに即した憩い空間を完成させることができました。
「さまざまな学科のメンバーで構成されたチームのため、多種多様なアイデアや意見を持った人とディスカッションすることができました」(HIT POWER GENERATION)
「施工前の手続きから設計、施工、完成まで、すべての工程において必要な知識を授業で学んでいることが分かり、講義の重要性に改めて気付きました」(街の建築屋さん)
上位3団体を表彰
今年度から、活動成果と結果報告会当日の内容について、自主企画選考委員会による審査が行われました。「新規性」「独創性」「公共性・公益性」「実現性」「予算の妥当性」「プレゼンテーション」の6つの項目で審査し、上位3団体を表彰しました。
【審査結果】
1位「広島工業大学周辺の地域貢献」 街の建築屋さん
2位「災害時における鶴記念体育館の活用方法」 建築屋たち
3位「電気自動車でエコランだ~乾電池40本のチャレンジ」 HIT-EV
1位に輝いた「街の建築屋さん」。「域貢献に結びつく活動ができたことに、大きな喜びを感じています。建築工学科の学生としても成長できました」
自主性、協調性、問題解決能力を育む「HITチャレンジ」
学生の自主性、協調性、問題解決能力を向上させることを目的とする「HITチャレンジ」制度。結果報告会を通じて、学生の自主的な活動による成長をうかがい知ることができました。次回も、広工大生らしいアイデアが光る、多彩な挑戦を待っています。