キャンパス内でプチ留学!?「国際交流ボランティア」 チャレンジスピリッツが生かせる大学ライフ
2017.07.14
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留学生が折り紙に挑戦! 「福山ローズ」に込めた思いも知る
瀋陽航空航天大学(中国)とイリノイ大学(アメリカ)からの留学生5名が6月22日、折り紙「福山ローズ」に挑戦しました。指導したのは、国際交流ボランティアのメンバーで大学院工学系研究科情報システム科学専攻2年の近藤明弘さん。留学生たちは、モニターに映し出された折り図を見ながら、近藤さんの手ほどきを受け、細かく複雑な福山ローズ作りに奮闘。時には留学生同士が教え合う姿も見られました。近藤さんが前もって折り線と折り順を記した折り紙や、説明の紙も参考に、約1時間かけて完成させました。
子どものころから折り紙が好きな近藤さん(左)
折りバラの中では比較的簡単な福山ローズ
手順を確認し、出来栄えをチェック
難しいところは近藤さんが実演
「折り鶴を折ったことはあるけれど、バラは初めて」「難しかった」と感想を話す留学生たち。完成後に近藤さんから「なぜ福山ローズを折ってもらったか」の説明がありました。―1945年の福山大空襲で市街地の8割が焼失したといわれる福山市。市民は戦後の悲しい心に潤いと安らぎを求め、行政とともにバラ公園を作り、配布されたバラ苗1,000本を大切に育てました。縁あって広島工業大学で学ぶ留学生たちに「バラのまち福山」として知られる広島県福山市の存在も知ってもらいたかった―
静かに耳を傾けうなずく留学生の心に、平和を願う近藤さんの気持ちがきっと伝わったことでしょう。
福山の歴史について語る近藤さん
完成した福山ローズを手にニッコリ
国際交流で磨く、主体性と人間力
近藤明弘さん(大学院 工学系研究科情報システム科学専攻2年)
「3年前から国際交流ボランティアに参加しています。活動を通じて、指示を待つのではなく、主体性を持って行動するようになりました。さまざまな国の人と関わりを持つことで、多様な価値観があることも知りました。専攻科目とは関係ありませんが『人間力を磨くことも重要』ということを、国際交流で学ぶことができました。社会に出たら、この経験を生かし、グローバルな仕事に就きたいと思っています」
「留学生との交流は毎回楽しみです」と近藤さん
大学院生になっても日本で学びたい。広島弁もマスター!
楊 博帆(ヤン ボーファン)さん(イリノイ大学工学部2年)
「ボランティアのみんなにはとても親切にしてもらい、とうかさんやカープ観戦にも連れて行ってもらいました。広島弁も教えてもらいましたよ。アメリカでも工学部に通っています。大学卒業後のことはまだ考えていませんが、日本のインターネット、パソコン等の情報工学は素晴らしい。できれば大学卒業後も広島に来たい、日本の大学院で学びたいと思うほど、日本ファンになりました」
語学留学の経験を生かし、日本と中国をつなぐ通訳をめざす
房 玉喆(ほう ぎょくてつ)さん(瀋陽航空航天大学)
「折り紙の経験はありますが、折りバラは初めて。難しかったけれどまた練習して、帰国したら友人に教えたいと思います。留学中に、日本語のほか、礼儀やマナー、和食のことなどを吸収して帰国したいです。将来は日本で暮らしたいくらい、大好きな国。卒業後は留学の経験を生かし、通訳になって、日本と中国の良さを伝えたいと思っています。ボランティアのみんなには、日用品の購入などちょっとしたことでもお世話になりました。SNSでつながっているので、これからもずっと友達です」
「広島工大専用の留学生会館で生活できて快適!」と楊さん(左)、房さん。
キャンパス内で国際交流 学生が留学生をサポート
広島工業大学では、国際交流にも力を入れており、中国、アメリカ、カナダの3国の派遣留学協定校があります。協定校からの留学生の受け入れを積極的に行っており、毎年10数名の語学留学生が本学にやってきます。留学生の日本での生活、本学での学びをより充実したものにするために、「国際交流ボランティア」の学生たちが活躍中。現在、100名以上の学生が登録し、個々の都合に合わせて活動しています。
毎週火曜には、学内レストランのリーフガーデンにて「茶話会」を開催しています。留学生と、国際交流に興味のある学生たちが集い、お菓子を食べながら日本語で会話。教養科目中心のプログラムに沿って勉強している留学生の課題のサポートをしたり、日本語の勉強をしたり。互いに仲良くなるために、時にはカルタやすごろく遊びをすることもあります。逆に留学生から中国語や英語を教えてもらうこともあるそうです。
国際交流ボランティアの経験を将来の糧に
目的を持って入学してくる学生が多い広島工業大学。「将来、英語を使った工業系の仕事に就きたい」としっかり意思を持って学ぶ学生も。国際交流ボランティアの学生は、貴重な経験を就職活動に、そして将来に生かそうと積極的に活動しています。
留学生の滞在日数は、数週間から半年。限られた期間ですが、同じ年代の学生同士、最近はLINEなどのSNSでつながり、「帰国後も交流したい!」と願う留学生も多くいます。ボランティアの学生と留学生のつながりは、想像以上に深いようです。広島工業大学での交流の経験は、留学生、本学の学生の双方にとって大きな糧となることでしょう。