ペットボトルロケットで子どもたちに理科の楽しさを伝える 理科実験教室「JCDキャロット」
2018.07.18
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「子どもたちにもっと理科を好きになってほしい」という思いで、小学生を対象とした理科実験教室を行っている「JCDキャロット」。広島工業大学女子学生キャリアデザインセンター(JCDセンター)の活動のひとつとして、2008年から学生主体で取り組んでいます。
6月16日、地域の小学生を対象とした「みんなで飛ばそうペットボトルロケット!」を開催しました。いつもは小学校や公民館に出向き、出張理科実験教室を行っていますが、今回は本学に子どもたちを招いて、ものづくりの魅力を伝えました。その様子をレポートします。
ネクサス3階のオープンスペースに参加者が集合。合計31人の小学生が参加してくれました。
JCDのシンボルキャラクター「キャロミ」がサプライズ登場!子どもたちに囲まれて大人気です!
「ペットボトルロケットはなぜ飛ぶの?」学んで、作って、デザインして。ロケット作り開始
ペットボトルロケットは、ペットボトルに入れた水と圧縮した空気を、一気に開放させることにより起こる作用・反作用の力で飛びます。この原理をパワーポイントや実験を交えて女子学生がわかりやすく解説。子どもたちが原理を理解したところで、いよいよロケット作りです。女子学生は作り方を丁寧にレクチャーしていました。
「どうしてロケットは飛ぶの?」風船が飛ぶ仕組みを例に、原理を解説中。
説明した原理をよりわかりやすく伝えるために、手作り模型を使った実験を子どもたちの前で実演。
いよいよロケット製作開始!ラミネート加工した紙やペットボトルを切ってパーツを作っていきます。カッターやハサミを使う作業は必ずサポート。安全面の配慮は万全です。
カラーテープは、パーツを貼り合わせるだけではなくデコレーションの役割も。子どもたちの個性が光ります。
完成したロケットを嬉しそうに見せてくれた秋山未来ちゃん(1年生)。ほとんど自分の力で組み立てました。
どこまで飛ぶかな?ドキドキのロケット発射
さぁ、人工芝の競技場「グリーンフィールドH.I.T.」に移動してお待ちかねのロケット発射です。一人2回ずつ発射を行い、飛距離で競い合いました。「どうしたら遠くに飛ぶのかな?」子どもたちは、少しでも記録を伸ばそうと、羽根の角度や水の量を調整して試行錯誤します。自分の考えを実践する体験が理科を好きになるきっかけになります。
水を入れたロケットに空気を入れて圧力をかけていきます。「上手く飛ぶかな?」期待に胸を膨らませます。
「3.2.1、発射!」の合図で水が勢いよく噴射し、ロケットが飛び立ちます。周囲からは「おぉーっ!」と大歓声。
参加してくれた子どもたちにお話を聞きました。
藤原昂生くん(2年生)・拓生くん(2年生)兄弟
「カッターを使ってパーツを切るのが難しかったけど、大学生のお姉さんたちが優しく教えてくれました。完成した時は嬉しかった」(昂生くん)
「1番になれなかったのがとても悔しい。また参加してリベンジしたいです」(拓生くん)
芥伊純くん(2年生)
「はじめてのペットボトルロケットで優勝できて嬉しいです。大学生のお姉さんに、水を入れすぎないことが遠くに飛ばすコツだと教わりました」
「とても楽しかったです」と藤原昂生くん(右)・拓生くん(左)。二人とも次は優勝めざしてがんばれ!
48mを記録し、見事優勝した芥くん。「ロケットが重くならないよう、カラーテープを貼り過ぎないようにしたことがよかった」と勝因を語ってくれました。
子どもたちの笑顔のために、一致団結
「みんなで飛ばそうペットボトルロケット!」は、JCDキャロットのメンバー8人が1ヵ月半かけて準備をしてきました。小学校への告知から参加希望者への連絡、ロケット材料の準備、当日の段取りまで全て自分たちで行います。当日は他のJCDプロジェクトから応援にかけつけ、総勢18人で運営にあたりました。参加者の受付、原理説明、工作サポート、ロケット発射サポート、飛距離計測と、それぞれの場所で自分の役割を果たす女子学生たち。そのチームワークの良さからは「子どもたちに楽しんでもらい、理科を好きになってほしい」という彼女たちの熱い気持ちが感じられました。
参加者の受付は守衛所前で実施。広工大に初めて来る方にとっては、構内で迷う心配がないから安心です。
飛ばしたロケットを子どもたちの元にお届け。グラウンドを何往復も走り回るのは大変ですが、ニッコリ笑顔で対応。
完成したロケットを手にした子どもたちと記念撮影。
「子どもたちの笑顔が何よりも嬉しかったです」とJCDキャロットの1年生メンバー。
昨年の課題を解決し、より良い企画に
リーダーの村田栞さん(食品生命科学科2年)、今田悠月さん(知的情報システム学科2年)はペットボトルロケット企画経験者。「昨年は1度に参加者全員を対応したため、発射の際、順番待ちの時間が長くなって子どもたちを退屈させてしまった」と、今田さんは話します。その反省から、今年は参加者を組分けして3回実施。時間をずらしたことで、子どもたちを待たせることなく、スムーズに進行することができました。「いくら段取りが良くても一人では運営できません。今日の成功は、準備から1年生メンバーが頑張ってくれたおかげです」と村田さんは振り返りました。
村田さん(左)、今田さん(右)
「大きなトラブルもなく終えることができたのは、チームワークで臨機応変に対応できたからだと思います」
今後は、夏休みにかけてたくさんの出張理科実験教室を予定している「JCDキャロット」。彼女たちのますますの活躍を楽しみにしています。