地元産品の魅力を、ARで発信。【さとやまマルシェ】と山岸ゼミがコラボ。~情報コミュニケーション学科
2021.04.03
このニュースは、クローズされました
※新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで取材・撮影を行っています。
広島の素材で作られた産品の魅力を多くの人に知ってもらおうと、2021年2月16日~28日に開催された「さとやまマルシェ」。
このイベントの盛り上げに一役買ったのが、情報コミュニケーション学科・山岸秀一教授のゼミ生 小村(おむら)さんと常井(つねい)さんです。
彼らはAR(拡張現実)をベースとしたシステムを制作し、会場を訪れた人々に体験型の商品紹介を行いました。
広島そごう5階で開催されたさとやまマルシェ。地元由来の自然素材を使った食品・飲料・雑貨など、約300アイテムが展示販売されました。
ARシステムの制作でイベントを盛り上げた山岸教授とゼミ生たち。
4年生・小村さんが携わったのは、「ホロレンズ」と呼ばれるARゴーグルを使用するシステムです。これを装着すると、レンズを通して見える現実空間の中に、イベント紹介用のデジタルコンテンツが浮かび上がり、商品を詳しく紹介してくれます。
「大変だったのは、高齢者などITに慣れていない一般の来場者に使いやすくするための工夫ですね。コンテンツの量が多すぎると、何から見ればいいのか戸惑ってしまい、使い勝手が悪くなる。そのため何度もシステムをブラッシュアップしました」
ユーザーの視点が大事だということを学べたのが一番の収穫だった、と小村さんは語ります。
小村さん「アルゴリズムや言語などシステムを作る基礎は3年生までに学んでいるので、それほど苦労しませんでした」
実際に使用したホロレンズ。小村さんの卒業研究を生かして挑戦しました。
レンズを装着した人は、現実空間に浮かぶボタンを不思議そうに押していました。
4年生・常井さんはARアプリを新たに開発。アプリを起動してさとやまマルシェのポスターに向けると、みかんやトマトなど自然素材が画面に現れます。そのどれかをタップすれば、素材が弾け、その素材から作られたジャムやお菓子などの商品画像と紹介が出てくるのです。
「最初に作ったのは、商品をタップすると文字説明が現れる、というものだったんです。でもそれじゃあ面白くない、見た人が驚くものにしたくて、素材が商品に変化するという工夫を取り入れました。一般の来場者に使ってもらい"楽しいね""わかりやすい"など反応をもらったのは、嬉しかったです」
と笑顔をこぼしていました。
常井さん「エンタメ性を高めるため3DCGなども使ったので、完成まで時間はかかりましたが、その分新しいものが出せました」
画面上のみかんやトマトをタップすると、弾け飛んで商品が現れます。
本学では、地元産業界とコラボする試みが、各学科・ゼミで行われています。
「実際のシステムづくりは、私の方から指示せず、学生が主体となりイベント主催者と直接やり取りしました。それだけ苦労も多々あったようですが、実りも大きかったと思います。今後は実社会で"人間にもっと近づくIT"を実践して欲しいですね」
と、山岸教授はゼミ生にエールを送っていました。
「学生はITのスキルだけでなく、経営やマーケティングも学んでいる。地元産業界との協働は、それら全てを活かせる絶好の機会です」と山岸教授。