アフターコロナの時代、DX推進で価値創造を。~HITスクエア・講演会を開催
2021.07.10
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激変する社会情勢の中、産学共同で地域の課題解決を支援しようと発足した広島工業大学地域連携技術研究協力会(以下:HITスクエア)。その活動の一環として、2021年6月23日、広島国際会議場で、【アフターCovid-19~その先の未来へ、CIO(最高情報責任者)が果たすべき役割は?~】と題した講演会を開催しました。
講師としてお招きしたのは、広島県総務局で総括官として情報戦略全般を統括し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進にあたる桑原義幸氏です。
冒頭、本学長坂学長が「今回の講演会を、参加頂いた企業の皆様の、次のステップを考える題材としてください」と挨拶しました
新型コロナ感染防止対策を十分に行った会場に、およそ50名が出席。講演に耳を傾けました
新型コロナや、頻発する自然災害などを契機として、社会は急激にデジタル化へと進んでいます。テレワーク、オンライン学習への移行はその代表例であり、多くの企業がDX推進を重要課題に掲げています。
「民間だけでなく、世界中の行政や伝統的機関が、クラウドなど仮想世界の活用を始めました。広島県でも2030年までに、窓口・手続業務の多くを自動化させようしています」
と桑原氏は、県行政を事例に引きながら現状を説明。DXを進めるには、CIOの発想の転換が必要だと強調します。
「従来の業務プロセスは、人間が行うことを前提としています。しかし"100%機械が行う"ことを前提としてプロセスを見直さなければ、DXはうまくいきません」
広島県総務局・総括官(情報戦略) 桑原義幸氏
広島県では新型コロナ関連のアプリを、僅か数週間で次々に開発。感染拡大防止に役立てています
桑原氏は、CIOが果たすべき役割として、次のように説明されました。
「1つ目は【アプリケーションの再構築】。自分たちの目的のために必要なアプリを見極める必要があります。2つ目は【権限移譲】。テレワークが主流となる中、個々が責任を持って業務を進められるようにしなければなりません」
また、職員が異なった環境でも仕事できるような【インフラ変革】とデータやクラウドを守る【防御】にも力を入れるべき、と桑原氏は訴えます。
「デジタル化が加速するアフターコロナの時代は、新サービス創造で自社の価値を高めるチャンス到来の時機とも言えます。DXを推進し、地域を発展させましょう」
と桑原氏は、期待を込めて来場者に呼びかけました。
講演後、「オンラインによる職員や学生のコミュニケーション不足に対処するには?」などの参加者からの質問に、桑原氏は広島県での取り組みを事例として紹介していました
講演会後、広島工業大学地域連携技術研究協力会の総会が開催されました。コロナ禍の中ではあるがオンラインを十分に活用し、連携を深めていこうとの意志を確認し合いました
全てのプログラムを終え、HITスクエア運営委員長の宗澤教授(産学連携推進センター長)は「今回のような、単独の企業ではお呼びしにくいスペシャリストを招いた講演会の実施は、企業の方々にとっても私たち研究者にとっても有用なもの。今後も積極的に情報交換や技術交流を深め、地元発の価値創造につなげていきたい」と意気込みを語りました。
お忙しい中、講師をお引き受けいただいた桑原様、またご出席頂いた企業の方々、誠にありがとうございました。
「様々な企業の方々のお悩みを解決したい」と語るHITスクエア運営委員長、宗澤教授(産学連携推進センター長)