ローカル5GとICTを活用した実証実験を実施~情報コミュニケーション学科~
2022.01.06
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㈱ちゅピCOM・廿日市市との連携活動の一環として、本学キャンパス内でローカル5G※とICTを活用した教育DXの実証実験を実施しました。
※ローカル5G:地域や産業の個別ニーズに応じて、地域の企業・自治体等が主体となって、自らの建物内や敷地内でスポット的に構築する5Gネットワークのこと
今回は期間限定でローカル5Gの基地局を本学キャンパス内に設置し、①ローカル5Gで用いる電波(Sub6帯)がどのように伝搬するのか、②ローカル5Gの超高速・大容量を活用したXR通信 (現実世界と仮想世界を融合することで現実にはないものを知覚できる技術の総称) による教育の可能性について評価しました。
この日、情報コミュニケーション学科の林教授とゼミの学生たちは、新1号館上層階から送信されたローカル5Gの電波が、三宅の森 Nexus21(以下、講義棟)でどの程度受信できるか、またどの程度のネットワーク速度が得られるかを測定しました。
実験の趣旨や測定方法などを説明後、グループに分かれて測定
実験で使用したローカル5Gの受信アンテナ
学生たちはそれぞれ、アンテナ設置、受信電波強度測定、ネットワーク速度測定、測定結果記録などの担当に分かれ、まずは講義棟10階のベンダーコーナーから測定を始めました。
チームで協力して測定を実施
測定結果を記録し、次の測定場所へ
測定は、講義棟の全21個所で実施。基地局からの見通しが良い場所から悪い場所まで、さまざまな環境で測定しました。
講義棟の吹き抜け部分でも測定
場所によって変わるネットワーク速度を記録
最後に、講義棟4階の吹き抜け部分で測定を行い、測定実験を終了。
ローカル5Gの電波は、従来の4G通信で利用されている電波と比べて障害物を回り込む特性が弱くなりますが、講義棟の構造や周辺建物の存在も影響し、想定より高いネットワーク速度が得られていました。
林教授は、「電波伝搬をシミュレーションできる評価技術もありますが、現場での電波測定結果と異なることも少なくなく、実際の測定結果に基づいたネットワーク設計が大事」と語りました。キャンパス内のどこでも高速・大容量の通信ができる環境の実現に向けて、今回貴重なデータが取得できました。
また、ローカル5Gを用いたXR通信の体験も行いました。
拡張現実技術で目の前に現れたエンジンの構造を確認したり、ある断面で切り取ってみたり、現実には実現できないさまざまな体験が可能になります。CADなどのデジタルデータがあれば、これまで実現できなかった臨場感ある授業が展開できそうです。
目の前に現れたエンジンの構造をさまざまな角度から観察できる
車を実物と同じサイズで見ることも可能
ローカル5Gによってキャンパス内で安定的に高速・大容量通信が可能になれば、屋外でも通信できるようになるため、大きな構造物などもXR技術で再現することもできそうです。
最新のICTを活用した魅力的な学びの実現に向けて、大いに可能性を感じる体験でした。