情報・機械系の学生に向けて「ものづくり企業のIoTなどデジタル化取り組みの成果発表会」を開催
2022.01.29
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学生が産業界の現状に触れることで知見を広げ、将来の進路選択に役立ててもらおうと、デジタル化の担い手を育成する本学と、中小企業のデジタル化を支援する広島県や(公財)ひろしま産業振興機構が合同で、「ものづくり企業のIoT等デジタル化取り組みの成果発表会」を開催しました。
DXが叫ばれている中、企業はデジタル化を推進しています。「ものづくり」に関わる企業が多い広島県では、広島産業振興機構を中心に地元企業のデジタル化を支援。認知・啓発を促す「現場イノベーションスクール」や実践を支援する「ひろしまIoT実践道場」などさまざまな取り組みを行っています。このたびは、「ひろしまIoT実践道場」でデジタル化に取り組んだ2社の成果を、学生に向けて発表いただきました。
同機構の楠目氏から、工場のデジタル化がもたらす現場変化についてお話いただく
発表会には、情報工学科 大谷教授、情報コミュニケーション学科 濱﨑教授、機械システム工学科 宗澤教授の各ゼミ生、計43人が参加。
同機構が「ひろしまIoT実践道場」で支援した広機構(株)と大和重工(株)の2社が、取り組み成果を発表しました。
呉市に本社を置く広機工(株)。大型船舶や航空機のエンジン部品の制作を行う
1831年創業の大和重工(株)は、鋳物をベースに住宅機器関連や大型鋳物部品を製造
どちらの企業もIoTを活用し、業務の「ムダ」を排除することをめざしています。
広機工(株)は、RPAによる工場内温度を自動制御し、空調設備の温度調整時間にかかる「動作のムダ」が削減した事例を発表。
大和重工(株)は、伝統的生産技術を持つ職人による少量多品目の生産を行う鋳物ホーロー浴槽で、製造プロセスにおける品質状態を計測し「不良をつくるムダ」を排除する取り組みとその効果を学生に伝えました。
大和重工(株)企画管理本部の前横山さんは、情報工学科の卒業生。現在は社内SEとして勤める
中小企業は多少のレベル差はあるとしても、一般的にはシステムやパソコンに詳しい人が少なく、大学で専門的に学んでいる学生は即戦力になると話す前横山さんは、「製造に関することは入社してから学べるので安心してほしい。今の専門知識を地元企業でいかすのも将来の選択肢に加えるといいのでは」と後輩にアドバイスをしてくれました。
今回のセミナーに参加した宗澤ゼミの小田さん(呉工業高等専門学校出身/広島県)
ゼミで、画像処理を用いた生産工程の効率化を研究する小田さんは、「ゼミの研究でも、データを活用して業務を改善し、付加価値を生み出さないといけないと学びました。今回のお話を聞いて、大学で学んできたことを実社会でも役立てたいと改めて思いました」と感想を話してくれました。
情報工学科で計測情報の知的処理に関する研究をしている大谷教授
企画を担当した大谷教授は、「情報系の学生が活躍できる場所は多岐にわたることなどを知ってもらえたのではないか。これからますますDXを推進する人材が求められるので、大学でもそれに応える人材を育てていきたい」と話します。
今回の発表を通じて、学生は情報技術者がものづくりの現場で求められることをイメージできたのではないでしょうか。これまでもデータサイエンス教育、デジタル化の担い手となる人材育成に力をいれてきた本学ですが、これからも産業界と連携しその効果を高める教育を提供していきます。
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。