広島工大生の開発した水中ロボットが、全国コンペで優秀賞を受賞
2022.01.31
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全国の工業系大学や理系教育機関で学ぶ学生が、自主製作の「水中ロボット」技術を競い合う「沖縄海洋ロボットコンペティション」が開催されました。
同コンペのフリースタイル部門に、本学から2つのチーム「J.E.N.O.S.」と「M.I.R.O.C.A」がエントリー。「M.I.R.O.C.A」は4位、「J.E.N.O.S」は2位で優秀賞を獲得しました。
フリースタイル部門で優秀賞を受賞した「J.E.N.O.S.」。
チームリーダーとしてロボット開発に取り組んだ横田さんと尾田さん。
「ROV(遠隔操作型無人潜水探査機)のJ.E.N.O.S.は、海中に大量発生して漁業の邪魔をするクラゲの除去を目的に製作。スラスターでクラゲを吸引し、プロペラと金網で粉砕します」
と話すのは、チームリーダーの横田さん(和歌山県立新宮高等学校出身/和歌山県)。
「オンライン参加のため、ROVの機能を紹介する動画もチームで自作しました。小型で安定潜航する点と、水中ロボットをクラゲ除去に活用する独創性が評価されたのではないかと思います」
と、横田さんは優秀賞の要因を語っていました。
水中を走行するJ.E.N.O.S.。学内のプールで実際に機体を動かし、改良を重ねた
前方下部に見える赤いスラスターでクラゲを吸引する
「大人2人程度での運用が可能。8基のスラスターで前後進・旋回も自在」と横田さん。
「クラゲ駆除の際、ROVの姿勢が安定するよう制御を工夫した」とのこと。
一方、M.I.R.O.C.A.がめざしたのは「ゴミ回収」です。
「4基のスラスターで水上を航行。海上に浮遊するペットボトルを、前方のベルトコンベアで自動回収します。コンベアの一つひとつの部材から3Dプリンタで作成して組み立てるなど、様々な知恵をこらしました」
と語るのは、尾田さん(愛媛県立松山工業高等学校出身/愛媛県)。
「ゴミ回収というSDGsにもつながるテーマを掲げたことと、多くのパーツを手作りした点は認めてもらえたかな、と感じます」
と、尾田さんは分析していました。
M.I.R.O.C.A.の全体像。赤い部分がペットボトルを回収するベルトコンベア。
「全長2mという大サイズの負荷に耐えられるよう、パーツや組み立て方を変え強化した」とのこと。
J.E.N.O.S.チームは3人、M.I.R.O.C.A.チームは2人。5人全員で協力し合い、2機の水中ロボット製作を進めたと話す横田さんと尾田さん。
共に、「互いの意思が伝わらないとうまくいかない。だからこそ自己主張ばかりではなく、みんなで協調しないといけないと感じました」
と語っていました。
HITチャレンジ(学生自主企画プログラム)制度を活用し、水中ロボットに取り組んだ横田さん・尾田さんとチームのみなさん。開発を通じて得た経験は、将来に役立つでしょう。