建築業界につながる基礎的なスキルを磨く。社会実践科目「デザインスタディ」前編
2022.02.26
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本学は2020年から導入している新教育プログラム「HIT.E ▶2024」の一環として、1・2年次を対象にした授業「社会実践科目」を新たに設けています。この科目を導入した目的は、より実践的な学びを通じて、学生の「社会実践力」を磨くことです。社会にかかわる課題をテーマに、学科ごとに多彩な授業を開講。学生は自ら課題解決をするために、多様な人と協働しながら学びを深めています。
建築デザイン学科が開講する社会実践科目「デザインスタディ」では、各学年を約10名のグループに分け、教養科目系・専門科目系それぞれの課題に取り組みます。そこで展開される学びについて、科目の企画・運営を担当している教養系・萬屋 博喜准教授、専門系・杉田 宗准教授に伺いました。
授業を運営する萬屋准教授と杉田准教授
緻密に練られている授業計画
「ライティングやプレゼンテーションといった基礎スキルは従来も指導していましたが、それらが建築業界で活かせる力になるように、という点を意識しました」と萬屋准教授は語ります。
「1年次前期の教養系では、プレゼンスキルを鍛えます。例えば限られた時間の中で、自分の好きな建築についてスライド資料を作り、グループ内で紹介し合うとか。面白いと思った本を選んで3分でプレゼンするビブリオバトルも行います」いろんなテーマについてグループ内の発表と相互評価を繰り返し、スキルを向上させるのです。
自分の好きな建築についてプレゼンする2年次生
3分間で本を紹介するビブリオバトルに挑む1年次生
「プレゼン資料の作成はどの学生も上手ですが、中身はまだまだ。どのテーマにおいても、教養系では①表現力②理解力③思考力を修得できるよう、内容を吟味しています」
1年次後期では、ディスカッションや統計学を学びます。
「住民アンケートを分析して建築物に活かす時や、耐震性を検討する時など、建築においてもデータサイエンスは重要視されてきているので、基礎を身につけておいてほしいです」
「教員はアドバイザーとして各グループにつきますが、学生が主体的に課題解決するよう配慮しています」と萬屋准教授
「専門系の2年次前期では、建築分野の代表的3DCADソフトであるRhinocerosを修得します」と杉田准教授
専門系では、インプットとアウトプットの明確化を重視している、と杉田准教授は言います。
「専門系では、模型製作や3DCADによるモデリングを学びます。これらの概略やソフトの操作方法を学べる動画を用意し、授業前に閲覧させるようにしました。インプットは事前に各自のペースで行っておき、授業ではアウトプットに集中できるようにしています」
また、スマホを利用した動画撮影・編集がカリキュラムに取り入れられているのも異彩を放ちます。
「1年生がグループワークでベンチ製作する様子を、2年生がドキュメンタリー映像に収める、といったことに取り組んでもらう予定です」
学生が授業で製作したベンチ
建築系学生が、なぜ動画撮影・編集に取り組むのでしょうか?次回は、オンラインで授業に臨む学生たちの様子を紹介いたします。 「デザインスタディ」後編記事はこちら