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光井ゼミの学生が、呉の旧海軍関連施設の歴史的価値を調査し報告会を実施

2022.04.05

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戦前、日本有数の軍事都市だった呉市に、現在も数多く残る旧海軍関連の歴史的建造物。これらの建造物の調査を、環境学部建築デザイン学科・光井准教授のゼミで実施しています。
3月上旬に、その報告会を開催。建物の現所有者であるジャパンマリンユナイテッド(株)、(株)IHI、海上自衛隊呉地方総監部の関係者が見守る中、学部生と院生の3人が調査内容を発表しました。

明治40(1907)年竣工の旧呉鎮守府庁舎(現海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎)の前で。

明治40(1907)年竣工の旧呉鎮守府庁舎(現海上自衛隊呉地方総監部第一庁舎)の前で。

「呉の遺産の調査は、学生にとって大きな学びになった」と語る光井准教授

「呉の遺産の調査は、学生にとって大きな学びになった」と語る光井准教授

4年次の濱口莉名さん(徳島県立城東高等学校出身/徳島県)は「旧呉海軍工廠造機部庁舎」について発表。
「鉄筋コンクリート造(RC造)の造機部庁舎は文献調査により大正10(1921)年3月竣工と判明しました。大正以前のRC造建物の現存例は県内に少なく、しかも建物単体での延床面積は県内最大級の遺構です」
と説明しました。

4年次の村上奈緒香さん(広島県立五日市高等学校出身/広島県)は「旧呉海軍艦船部庁舎」について報告。
「艦船部庁舎は、もともと呉海軍経理部の第一被服庫であった建物が、新たに第四船渠を建設する場所に建てられていたため大正11(1922)年に移築されたとわかりました。しかし移築方法が不明で、引き続き調査が必要です」
と語りました。

濱口さんは造機部庁舎と併せて、呉の文化財

濱口さんは造機部庁舎と併せて、呉の文化財"塔時計"の設置経緯や視認距離についても報告

「移築の際、建物寸法の拡大や屋根形状の変更も行われていることがわかりました」と村上さん

「移築の際、建物寸法の拡大や屋根の変更も行われていることがわかりました」と村上さん

大学院工学系研究科 環境学専攻の木戸勇之介さん(大分県立中津北高等学校出身/大分県)は、前掲の造機部庁舎と合わせて「旧呉海軍工廠造船部庁舎」について報告。
「造機部庁舎の建設は大正10年3月ですが、工事の実施を急いだため工事要領変更書を新年度の4月になって届け出ています。推測ですが、その年11月のワシントン軍縮会議をにらんで工事を急いだのではないでしょうか」
また、同時期竣工の造船部庁舎について、
「日本におけるRC造の先駆者である、海軍技師の真島健三郎が設計に携わった可能性も発見しました」
と伝えました。

「造船部庁舎はRC造ですが、コア抜き調査でレンガ造部分があることも判明しました」と木戸さん

「造船部庁舎はRC造ですが、コア抜き調査でレンガ造部分があることも判明しました」と木戸さん

ジャパンマリンユナイテッド、IHIでの報告

ジャパンマリンユナイテッド、IHIでの報告

海上自衛隊での報告

海上自衛隊での報告

報告を聞いた方々は、
「よくここまで調べてくれた」「明らかになった新事実を、一般の人々に知って頂きたい」
と感想を述べていました。

呉に残る遺構を解明する光井ゼミの調査・研究に、今後もご期待ください。
本活動にご協力いただいた関係者の方々に、改めて御礼申し上げます。