学科ではどんなことを学べる?広島工大の学びに触れる「学科見学会」を開催しました
2022.06.23
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5月22日、6月4日、6月18日に高校生を対象とした学科見学会を開催しました。
人工心肺装置について説明する生体医工学科の前田教授
本学では、入学した後に各学科でどのようなことが学べるかを具体的に知ってもらい、進路選択に役立ててもらいたいと、学科見学会を開催しています。6月4日は、工学部 電気システム工学科、機械システム工学科、知能機械工学科、環境学部 地球環境学科、生命学部 生命医工学科、食品生命科学科の、6学科で見学会を開催しました。その中から4学科の様子を紹介します。
【電気システム工学科】
電波工学やアンテナ工学、電波応用工学を手掛ける小西教授のゼミでは、携帯端末に内蔵するアンテナを研究しています。アンテナは金属素材で作ると思われがちですが、このゼミでは加工が簡単で、軽量で取り扱いやすいプラスチックを素材にアンテナを作ります。
見学会ではゼミ生が設計して3Dプリンターで成形したアンテナを「無線機器実験用電波暗室」内で回転させながら電波を発し、性能を検査する様子を紹介しました。
内外からの電波を完全に無効化する無線機器実験用電波暗室。奥に見える金属板に設置したプラスチック製アンテナの性能を試験
アンテナを回転させ、電波を発生させる装置を調整する学生
【知能機械工学科】
見学会では、学生自ら小型レーシングカーの設計・製作・走行を行う団体「学生フォーミュラ」で、学生が組み立てた車体や、何万点にも上るといわれる自動車の部品の展示を見学。ハイブリッド車が地面を走行する様子をシミュレーションする機器を紹介しました。
車を組み立てる作業は「この数値はこのくらいになるはず」という経験からくる感覚を磨きます。このような肌感覚は、シミュレーションで異常値が出たときなどに、その原因に気づく下地にもなります。強度不足や過加重で部品が折れる経験から、材料強度の知識やシミュレーションの必要性もより深く実感できるようになります。
「学生フォーミュラ」が作った車を例に、経験の重要性を説明する八房教授
ハイブリッド車の動力システムと路面を再現した模擬装置。AIが使用するエネルギー量を最小化するためのシミュレーションをする
【生体医工学科】
臨床工学技士の資格取得をめざす生体医工学科には、人工透析に使用する人工腎臓や人工呼吸器、重症化した新型コロナウイルス感染症などに用いる「ECMO(エクモ)」、手術の際に血液循環を代行する人工心肺装置など、高度な医療機器が充実しています。
ECMOの機能や使用法について解説する前田教授
見学会では前田教授が機器を実際に操作しながら、「看護師などの医療スタッフに医療機器の使用方法を指導したり、不具合が出ないよう保守点検したり、ときには手術室に入って人工心肺装置を操作したりする」といった臨床工学技士の重要な役割を説明しました。
【食品生命科学科】
食品生命科学科の見学会では、杉山教授が食品製造業界に欠かせない各種加工機を紹介。また、フリーズドライ技術で作った食品に触れる体験をしました。
フリーズドライは食品を凍らせて真空にすることで、食品内部の水分を昇華(固体が液体を経ず直接気体になること)させ、栄養価を維持したまま長期保存を可能にする加工技術です。参加者はフルーツや野菜だけでなく、アイスクリームやショートケーキなどのさまざまな食品がフリーズドライ加工された様子に驚いていました。
フリーズドライ技術で乾燥させた食品を観察
学科見学会は、実際に学内で進行している研究に直接触れていただく貴重な機会です。今年度の見学会は、7月2日(土)にも開催予定です。皆様のご参加お待ちしております。