IT業界のプロが伝授する「実践の場で活かせるリーダーシップ」とは?~発展トラック
2022.07.28
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学ぶ意欲の旺盛な学生に対し、よりレベルの高い自己研鑽の機会を提供する本学の「発展トラック」プログラム。その一環である特別講座「プロから学ぶ"IT業界の実践型リーダーシップ"」が情報学部の発展トラック学生を対象に開催されました。
講師としてお招きしたのは、日本で初めてインターネットサービスの商用提供をスタートさせた株式会社インターネットイニシアティブ(以下:IIJ)に在籍する、九州支社事業推進部長・山本伸介氏を始めとする3名の技術者の方々です。
実践の場で活きるリーダーシップとは何か、を学びます
ワークショップを交えた三部構成の講座に、約40人が参加
「リーダーシップ」とは「指導者としての能力」であり「チームの人々の意欲をかきたて、課題を解決するための行動」のこと...と聞くと、
「チームを引っ張るタイプじゃない。目立つのが恥ずかしい」
「チームの責任を負うなんて無理」
と感じる学生も多いようです。しかし山本氏は首を振ります。
「リーダーシップとは特定個人に限られた能力ではありません。人には誰しも得意分野があります。自分の得意な能力を発揮できる分野で、チームに好影響を与え、チームの成果の最大化を図る。それがリーダーシップです」
リーダーシップの"種"は、誰もが持っている。山本氏はそう断言します。
IIJ 九州支社事業推進部長・山本氏
「リーダーシップとは特定個人に固有の能力ではない」と山本氏。
第2部では学生が4~5人のグループに分かれ、「キャリアピラミッド」というワークショップを行いました。
最初に自分の長所や好きなことを書き出し、いつ、どんなきっかけで好きになったか思い返します。勉強、部活、趣味、特技、性格など、何でもOK。
それらを時系列で並べ、関連性のありそうな項目を結んでいきます。そうすると、自分の長所のバックボーンが、明らかになってくるのです。
自分の長所を書き出してキャリアピラミッドを作ってみます
自分の好きなものは...長所は...。どんどん付箋が増えていきます
サポーターとして参加したIIJの中四国支店営業課長・沖佑磨氏は言います。
「海外のビジネスシーンでは、チームのメンバーの持つ多面性や多様性がクローズアップされています。先読みの難しい時代だからこそ、どんな状況にも対応できる多様性が重要になるのです。これからは"〇〇さん。これ得意だったよね""この分野なら、私にできそうです"といったリーダーシップの発揮の仕方が大事になってくるでしょう」
そういう強靭なチームを作るため、自分の強みやバックボーンを、キャリアピラミッドで分析しておく必要があるわけです。
「自分の強みの分析が強靭なチームにつながる」と沖氏
サポーターのIIJ技術者も積極的にアドバイス
第3部では、作成したキャリアピラミッドの活用法を伝授。
「自分の長所が発揮できそうな場面を意識します。そのシーンが来たら"少しだけ勇気を出して"チームに貢献する発言・行動を心がけます。それがあなたのリーダーシップなのです。
一方、自分の短所も自覚できたでしょう。それを意識し、苦手を克服するスキルが身につきそうなシーンに直面したら"少しだけ勇気を出して"積極的行動を心がけます。そうすれば、短所はリーダーシップの"種"へと変化します」
キャリアピラミッドを他者と共有し、比較すると、自分の長所・短所がより見えてきます。そこでグループ内で互いのピラミッドを共有しました。すると、
「君ってネットをきっかけに作曲にハマったの」
「すごく多趣味だね。視野が広がりそうだ」
と、学生同士で意見交換が始まりました。
「無自覚な要素もリーダーシップの種になる」と山本氏
互いのキャリアピラミッドをグループで共有
受講した内海さん(広島県立尾道北高等学校出身/広島県)は、
「リーダーシップの"種"は誰にでもあるという話に驚きました。私はものづくりが好きで、集中力があることに気づけたので、今後のゼミやJCD(女子学生キャリアデザイン)センターの活動で活かしてみたいです」
と話します。また奥平さん(広島県立広島観音高等学校出身/広島県)は、
「リーダーシップについて、かなり具体的になりました。僕は周囲のメンバーを励ましたり、一歩踏み出させることが得意だと気づきました。この強みをゼミ活動やサークル、就活でも発揮したいと思います」
と期待を膨らませていました。
他の学生からも「自分ならではのリーダーシップの"種"が見つかった」「苦手を克服できるよう行動したい」などの声が集まっていました。
「自分にもリーダーシップがあるのだと自信になった」と内海さん
「今後の自分の行動・方向性に活かしたい」と奥平さん
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。