地域課題の解決のため、企業・自治体と強固に連携~HITスクエア総会を開催
2022.08.09
このニュースは、クローズされました
本学の知財である専門知識や技術を企業や行政のニーズに役立て、企業・行政と連携し、地域課題の解決を図ろうと発足した広島工業大学地域連携技術研究協力会(以下:HITスクエア)。その総会・講演会が広島国際会議場で開催されました。
開会にあたり、本学の長坂学長が、
「過去2年はコロナ禍ながら、6つの研究部会でさまざまな活動が行われました。ぜひこの仕組みを、みなさまの課題解決や研究の進展にお役立てください」と挨拶しました。
「今後も地域の将来に貢献するテーマを取り上げていく」と長坂学長
前半で開催された講演会の様子
講演会では「カーボンニュートラル」をキーワードに、2名の講師が登壇しました。
第1部では、中電技術コンサルタント(株)経営企画部 久保田博章氏が「カーボンニュートラルをめぐる概況と環境価値について」という演題で講演を行いました。
久保田氏は、再生可能エネルギーや森林活用などの取り組みについて紹介。
「カーボンプライシング、J-クレジットといった経済的手法によるCO₂排出削減プロジェクトが進んでいます。また海に囲まれた日本では、海洋生態系を利用してCO₂を吸収する"ブルーカーボン"への期待も高まっています」と解説しました。
第2部では「広島県におけるカーボンリサイクル技術の推進について」というテーマで、広島県商工労働局の重水友輔氏が講演。
「大崎上島における低炭素石炭火力の実証事業"大崎クールジェンプロジェクト"を始め、産学官の枠組みで多彩な研究・実践が進んでいます。また県が中心となって先駆的な技術開発を行う"CHANCE(広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会)"がスタートし、カーボンリサイクルを加速させます」と語りました。
「中国地方でもブルーカーボンは可能性が大きい」と久保田氏
「今は新時代をリードするチャンスでもある」と重水氏
後半の総会では、(1)運営委員について(2)令和3年度事業報告及び決算について(3)令和4年度事業計画及び予算について、という議題が審議されました。
令和4年度の事業として、運営部会・各研究部会の活動に加え、産学官の人的及び情報交流、共同研究・研究協力、講演会や生涯教育などを推進していく計画であることが報告されました。また会員ニーズを踏まえ、学生向けの講義を企業に対して行う「リカレント教育」も試行的に実施。1回2時間20000円とし、同金額内で何人でも受講可能という、地域貢献を第一に考えた社会人の学び直しを応援するプログラムなので、ぜひ活用してほしいと呼びかけがありました。
全ての議事は提案通り可決・承認されました。
今年度は会員へのリカレント教育にも注力したい、と提案がありました
「企業との共同活動をさらに進めたい」と宗澤教授(産学連携推進センター長)
HITスクエア運営委員長の宗澤教授は会を振り返って、
「カーボンニュートラルなど社会課題に対し、地元経済界は専門的な知見を求めています。本学は研究と教育の質をさらに高め、そうした声に応えていきます」と語りました。
地域課題解決の原動力となるHITスクエアに、今後もご期待ください。
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。