このニュースは、クローズされました

木造建築の価値が世界的に高まっています。そうした情勢をにらみ、木造建築の担い手を育てる4日間の「木造建築スクール」が開催されました。
参加したのは広島大学、近畿大学工学部、安田女子大学、そして本学の学生、約60名です。大学混成で4名程度のチームを構成し、木材の特徴や接合方法など木造建築の要素を取り込んだ「園児が安心して使えるベンチ」製作に取り組みました。そして最終日、16チームの作品発表・審査会が実施されました。

園児向けの木造ベンチ製作にチャレンジした学生たち。

自治体、木材メーカー、建築家、住宅関連企業、大学教員など、木造建築に関わる専門家が審査員として見つめる中、発表会がスタート。学生たちはコンセプトや製作ポイント、完成作品の写真・画像を取り込んだスライドでプレゼンテーションを行いました。

8角形を半分にカットしたような形の椅子を8個作成。1つでも、組み合わせでも使え、スタックすると運搬も容易です

高さの異なる2つの座面と、左右非対称のブラインドを持つベンチ。テーブル、トンネルやジャンプ台としても活躍しそう

2階建ての部屋のようなベンチ「小人の住む家」。子どもは各部屋を家に見立てて遊んだり、本の収納にも使えます

スリットを持つ2つの椅子を組み合わせ、伸縮自在にしたベンチ。長く伸ばして斜面に置くとリクライニングチェアに

遊具には「またがって遊ぶ」ものが多いことに着目。またがって電車遊びなどができる「ぽっぽベンチ」

全16作品の最優秀賞に選ばれたのが「だけじゃないベンチ」です。安全で持ち運びやすいのは当然だけど、それだけじゃない。座り心地がいいけど、座るだけじゃない。遊び方も1つだけじゃない。いろんな使い方を盛り込んだ多様性が高評価を得ました。

四角・丸・三角が印象的な「だけじゃないベンチ」。ベンチの6面全てで異なる使い方ができます

「だけじゃないベンチ」製作チーム。真ん中の白砂さんと右の池田さんは広島工大生。池田さん（香川県立高松西高等学校出身／香川県）は「最優秀を取れると信じていました」と胸を張りました

「他大学の人と一緒にやる中で、子ども向けの配慮など多彩な視点が学べました」と語る白砂さん（広島県立高陽高等学校出身／広島県）

大学の壁を超えたワークショップを通じ、広島県産材の利用と木造建築の可能性を改めて認識した学生たち。近い将来、木造建築の担い手が、ここから誕生するかもしれません。
本学もさまざまな機会を提供し、彼らの成長をサポートします。

※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。