イギリスの学生と共に「移動式茶室」をデザイン~国際ワークショップ
2022.11.11
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イギリス・ラフバラー大学の学生12名と、本学の建築デザイン学科杉田宗研究室の学生8名、計20名の学生による5日間の国際ワークショップが本学で開催されました。
「移動式茶室のデザインを考える」というテーマで、移動して使用できる茶室を設計し、1/4模型とともにプレゼンテーションを実施するという課題に取り組みました。学生は4グループに分かれ、難題にチャレンジ。
初日には、実際に上田流和風堂にて茶室を見学し、文化や茶室の在り方を体感しました。その後、グループワークを重ねて構想を練りました。そして最終日を迎え、本学のデジタルファブリケーションラボにて発表会を行いました。
参加したラフバラー大学と本学の学生
発表会冒頭、「発表される移動式茶室が、日本やイギリスで実現することを期待します」とスピーチする鶴理事長
Aグループは、鉄の柱に和紙と合板を組み合わせた、S字型の茶室を提案しました。
「移り変わりと柔軟性」がコンセプト
手前が待合室。奥が茶室になります
Bグループが取り組んだのは、回転することで季節感をもたらす茶室です。
回転する、テントのような三角すいの茶室
回転し、各面の位置が変わると部屋の広さも異なります
正三角形を宝石のように組み合わせ、ユニークな空間を作り出したのがCグループです。
全ての面を正三角形で構成
各面は紐で縛って固定します。掛け軸をかけるスペースも想定
Dグループの茶室は、3つの六角形を並べた床と、障子と和紙で壁を構成したものです。
壁は障子で組み立て、斜めに配置
床は3つの六角形で構成
プレゼン終了後、5名の審査員が優秀作を選考。AグループのS字型茶室が最優秀に選出されました。
ラフバラー大学・Matyas Gutai教授は
「茶室に、季節の変化などを織り込んで表現しようと努力している」と評価。
本学建築デザイン学科・杉田宗准教授も、
「茶道の有り様を捉え、建築として答えを出そうとした懸命さが伝わる」と、健闘を讃えました。
審査員兼アドバイザーとして参加いただいた上田宗箇流家元若宗匠の上田宗篁氏、一級建築士の藤林浩二氏、グラフィックデザイナーの中山慎介氏も口々に、
「学生の発想にワクワクした」
「どれも素晴らしい」
「実際に作って世界に持っていきたい」と語っていました。
「流れがうまく表現できている」とMatyas教授
「ポテンシャルの高い作品が多かった」と杉田准教授
審査員として参加した中山氏・上田氏・藤林氏
「異国の学生と一緒に、短期間で作品を完成できたのは自信になった」と本間さん(広島市立舟入高等学校出身/広島県)
「ラフバラーの学生はプレゼン能力が高い。参考にしたい」と大学院生の奥川さん(広陵高等学校出身/広島県)
国は違っても、良いものを作りたいという意欲に違いはない、と気づいた学生たち。5日間のチャレンジは、彼らを大きく成長させるでしょう。