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工大サミットと連携PBLで
理工学系人材を育成。

2022.12.09

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工大サミット検討ワーキンググループ

リーダー 八房 智顕

(工学部 知能機械工学科 教授)

理工系9大学で協力関係を築く。

2017年3月、本学を含む全国の私立5工大(愛知工業大学、大阪工業大学、芝浦工業大学、広島工業大学、福岡工業大学)が「工大サミット」を創設しました。グローバルな環境で活躍できる人材育成を共通の課題とし、各大学の人や施設、ノウハウなどの情報共有や連携・協力によって、理工系高等教育のさらなる活性化をめざしています。
工大サミットは毎年、各大学が開催校となって行われてきました(2020年を除く)。初めは学長同士の討論や意見交換をメインにしていましたが、回を重ねるにつれてロボットバトルやワークショップも実施するようになり、参加校も東北工業大学、神奈川工科大学、福井工業大学、北海道科学大学と増えて現在は9大学で活動。今年は第5回が12月3日に愛知工業大学で開催されます。
本学が主催校となった2021年の第4回工大サミットでは「Society5.0 for SDGs」を大きなテーマにしました。本学の強みの一つである「情報」を生かしたものづくり社会の理想の姿を提案し、実現に向けた議論をめざしました。
ただしコロナ禍での開催だったため、学内ホールへの来場者数は少なくし、ライブ配信をするというハイブリッド形式をとりました。結果153人が来場し、290人がオンラインで視聴。またホールでは学長によるプレゼンだけでなく、学生によるプレゼンを行ったことも初の試みで、アンケートでは「堂々とした学生発表に感動した」といった感想も寄せられました。
さらに参加大学が連携したPBL(課題解決型学習)を本学主催で実施したいという提案に全学長が合意し、実現へのスピーディな流れができたことも成果でした。

「Society5.0 for SDGs」とは

「PBL(課題解決型学習)」とは

本学主催による宮島での連携PBL。

本学主催による宮島での連携PBL。

そして今年の8・9月、連携PBLが実現しました。本学からは35名、他大学からは計28名の学生が「宮島 町家の保存と活用」をテーマにした授業に参加。8月は「問題発見編」、9月は「解決提案編」として、各2日かけて宮島(廿日市市)でのフィールドワークおよび本学キャンパスでの発表に取り組みました。学生たちは大学・学科・学年の異なる8つの混成チームに分かれて協働しながら、さまざまな課題を発見・議論して、課題解決の提案を行いました。
今回は本学が選択科目として開講している「地域課題解決実習」に準じて行ったため、実績もあり比較的スムーズに開催できました。廿日市市役所の方にも特別審査員としてご参加いただき、官学連携にもつながったと考えています。また他大学の教職員の皆さんとしっかり交流が図れたことも、大きな収穫でした。ほどよい距離感があることで忌憚のない意見交換ができたと感じています。今後も工大サミット参加大学の連携をより深めるため、特色ある連携PBLを実現していきたいと思っています。

「地域課題解決実習」とは

切磋琢磨することで人間的な成長を。

大学とは自ら主体的に学ぶところです。今回の連携PBLでも、実際に授業を担当した教員はあくまでアドバイザー的な立場として学生を後方からサポートしました。
普段は接することのない他大学の学生と交流する中で、モチベーションの高い学生たちに刺激を受けたのか、9月に実施した連携PBLでは本学の学生も、以前より積極的にフィールドワークや発表会に取り組んでいました。他大学の学生と交流することで自分を相対化できるよい機会になったようです。
私は授業でも学生同士が「教え合う」ことを基本に考え、そのための仕組みづくりをいつも考えています。人間は、よい意味で競争することで伸びていきます。学生にはお互いに切磋琢磨し、社会に出てからも学び続ける姿勢をしっかり身につけてほしいと願っています。

季刊 鶴学園 2022 春号より

鶴学園