卒業生に機械工学の技術者の業務を学ぶ 特別講演会を実施しました~知能機械工学科
2022.12.13
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本学では、大学での学びを地域社会での課題解決や就職後の業務と結びつける授業「社会実践科目」を設けています。この授業では、キャリアプランに関する内容の講義も実施されています。知能機械工学科では、本学の卒業生で、企業で活躍されている中堅技術者の方を招き、「機械系技術者のキャリアプランと社会実践」に関する特別講演を開催し、現役学生との交流を図りました。
これは1・2年次生を対象に、「BtoBの企業、工作機械の業界って何?」「身近にある機械は工作機械を使って製作されている?」「機械工学は、会社の業務でどう役立つ?」といった疑問を解消し、卒業後の「キャリアプラン」を考える一環として、将来設計に役立ててもらおうと企画されたものです。
講演会は1・2年次合同の授業内で実施された
今回の特別講師には、株式会社シギヤ精機製作所 技術部の西宮竜也さんをお迎えし、「機械系の技術者の業務と工作機械」という題目で、ご講演いただきました。西宮さんは、知能機械工学科を2010年度に卒業、本学の大学院 機械システム工学専攻を2012年度修了され、現在は機械の技術者として活躍中です。シギヤ精機製作所は、福山市に本社を置く、精密な工作機械(円筒研削加工装置など)を製造するメーカーで、本学の卒業生は30名以上在籍しています。
今回の講演では、工作機械の業界、企業での技術者の業務内容の紹介はもちろん、大学での学びが企業でどう役立つか、特に機械四力学の学びの重要性についてお話しいただきました。工作機械では、大量の潤滑油・冷却油が必要なのですが、ポンプで潤滑油を効率的に循環させなければなりません。このため、入社して直ぐに大学時代の基礎力学を勉強し直したそうです。また、学部生の頃に卒業研究を進めるうちに研究に関心を持つようになり大学院進学を決めたこと、大学院時代には、修士論文のテーマから精密工作機械に興味を持ち、その分野での就職を考えたことなど、進路を決めたきっかけについても教えてもらいました。
学生時代の勉強内容と業務との関わりについてもお話いただく
受講した学生から質問。講演に刺激を受けたようです
西宮さんは「自分の経験を後輩の勉学に役立ててほしく、講師を引き受けました。10年ぶりに大学を訪れ、非常に懐かしく感じます。今回の講演を聴いて、将来のキャリアデザインを考えるときに自分の話を役立ててもらえればと思います」と熱く語りました。
講演を企画した宇都宮准教授は、「低学年時に機械の基礎力学、四力学をはじめとする大学の勉学が、就職後に役立つことを理解して欲しくて、また、リアルな就業を考えて欲しくて企画しました。将来、どのような職業に就いても、技術者の仕事には共通点が多いです。今日の講演を、大学院進学を検討したり、大学の勉強やキャリアデザインが大切なことを痛感したりするきっかけにしてもらいたいです」と話しました。
講演会終了後は、懐かしい知能機械工学科の施設、宇都宮准教授の実験室や、人力飛行機の機体を見学した西宮さん。人力飛行機の大きさに感動したとのことです。
人力飛行機の機体を見学する西宮さん。「流体力学はうちの会社でも大切です」との言葉
学生にとって、大学での勉強の意義や進路を考える貴重時間になりました。
西宮さん、ご講演くださりありがとうございました。
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。