OB技術者を講師に招いた課題解決型学習を実施~機械システム工学科
2023.01.19
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本学OBで株式会社電業社機械製作所に勤める野口 寛さん(1992年学部卒業、1994年博士前期課程修了)を講師に招き、機械システム工学科の社会実践科目の講義を行いました。
社会実践科目とは、学科の学びと社会にかかわる課題をテーマに多様な人と協働し、課題解決する力を養うことを目的とした講義で、1年次の前期から2年次の後期まで全ての学科で開講しています。
機械システム工学科では風車を題材としたPBL(課題解決型学習)に取り組みました。学生たちは合計240人が32チームに分かれ、既定の材料を使い風車を設計、制作しその性能を競います。
デザイン賞を獲得した風車
講義は全7回、16チームごとに2日間に分けて行われます。授業概要を聞き理論の説明を受けた学生たちは、風車の概念を設計。数値目標も設定し、チーム内で役割を決めて作業を重ねてきました。5回目の授業では性能評価も行い、開始7秒までの回転数で「スタートアップ賞」を、最高回転速度で「最高回転速度賞」を、総回転数で「総合優秀賞」が決まりました。6回目の授業では最終プレゼンテーションに備え、プレゼンの構成や留意点について講義を受け、各チームで資料を作成し、7回目のこの日に最終プレゼンテーションを行いました。
各チームは設定した目標と目標を達成するための手段や考え方を発表
学生のプレゼンを審査する担当教員陣と講師の野口さん
他のチームの結果と比較して、自分たちの結果を考察する
4年次の学生がSA(StudentAssistant)として、進行やサポートを行う
株式会社電業社機械製作所は、1910年に創業した歴史ある風水力機械メーカーです。同社の生産本部で気体機械設計部長を務める野口さんにも専門家として講評をしていただきました。
「異なる学年がチームを組んで学ぶような授業は、私が学生の頃にはありませんでした」と野口さん。「企業に入ると年齢も立場も違う人がチームを組んで働いています。チームで考えて協力をする力はこれからも求められます。今やっていることは必ず今後に役立ちます」と話します。
「プレゼン資料に力を入れてよりアピールしてほしい」とアドバイスをする野口さん
「総合優秀賞」と「最高回転速度賞」を受賞したチーム11を牽引した久保さん(広島県立呉宮原高等学校出身/広島県)、倉増さん(広島桜が丘高等学校出身/広島県)、熊野さん(広島県立安芸高等学校出身/広島県)は「サボニウス型風車を採用しました。その構造を良く理解し、基本に忠実製作したことが良い結果につながりました」と話してくれました。
授業の空き時間を使い、何度も検証を重ねたチーム11
学生たちの投票で決まる「デザイン賞」を受賞したチーム13の佐藤さん(広島県立福山工業高等学校出身/広島県)は、チーム作りに力を入れたといいます。「私も経験しましたが、先輩と話すのは緊張するし怖いものです。ラフな関係でいようと声を掛けていたら、1年次も積極的に参加してくれて楽しいチームになりました」と話します。
2年次が設計して1年次が組み立てるという役割分担も良かったと話す佐藤さん
プレゼンテーションでは製作した作品の性能を評価するだけでなく、伝わるためのプレゼン資料、チームの在り方なども評価されていました。この講義を通じて学んだことや気づきをこれからに役立ててほしいと思います。
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。