情報工学科の学生2人がSICE中国支部学術講演会で優秀賞・奨励賞を受賞しました。
2023.03.18
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11月に広島県で開催された第31回計測自動制御学会中国支部 学術講演会に、本学の学生が参加しました。公益社団法人計測自動制御学会(SICE)は、計測工学、制御工学、システム工学で、未来の産業と社会に貢献する新しいシステムデザインの発信をめざす学術団体です。
同団体中国支部主催の学術講演会で、情報学部 情報工学科 大谷教授の研究室に所属する大城戸朋希さん(広島工業大学高等学校出身/広島県)が優秀賞、山本保人さん(山口県立防府高等学校出身/山口県)が奨励賞を受賞しました。
大谷教授と、受賞した山本さん、大城戸さん。大谷研究室からW受賞の快挙
優秀賞を受賞した大城戸さんが発表した研究テーマは「BIMと連携したUWB屋内測位システムの提案」。屋外ではGPSによって位置情報を取得できますが、屋内では正確な位置情報を測る技術がありません。大城戸さんの研究では、UWBという無線通信を使用し、屋内でも人やロボットの位置を特定できるシステムを構築。さらに、取得した位置情報を、BIMというコンピュータ上で現実の建物と同じモデルを再現できるシステムと連携することで、屋内の人やロボットの状況を、コンピュータ上でリアルタイムに確認できるというもの。
この研究が上手くいくと、ロボットがさらに普及した将来、屋内で働くロボットを簡単に制御できたり、ロボットが収集した情報を効率的に蓄積できたりすることが期待されます。
大城戸さんの周囲にあるのがUWB送信機。フロアの四隅に設置し、ロボット側に取り付ける受信機と通信することで、屋内でのロボットの位置を特定する
奨励賞を受賞した山本さんが発表した研究テーマは「マイクロフォンアレイとカメラを用いた音源可視化システムの構築」。小型マイクが多数配置された「マイクロフォンアレイ」とカメラが一体となった装置を音源に向けると、カメラで撮影している映像の中に、「ここから音源がでている」といった情報が表示されるというものです。
この技術は、工場やプラントなどでの応用が想定できます。例えば、現場で機器が故障した際、そこから超音波が出ている場合があります。このような人の目や耳では確認できない情報を装置が捉え可視化することで、早期に故障を発見し、素早く復旧作業に取り掛かったり、時には危険を回避できたりするのです。
中央にカメラ、その周囲に複数のマイクを配置した装置
3月には大学を卒業し、春から社会人になるお二人。最後に、これまでの研究や今回の受賞についての感想をいただきました。
大城戸さんは、「先輩からこの研究を引き継いだ時には、BIMと連携する前段階でした。そこから研究を進めて、目標としていたロボットを使用しての実証実験に携わることができて達成感を感じます。自分だけでなく、企業の方や先生、本学の建築デザイン学科の学生など、色んな人が関わっている研究なので感謝の気持ちも大きいです」と話します。
「学会という場で発表した経験は社会に出てからも役に立つと思う」と振り返る大城戸さん
「賞をいただけたことが自信にも繋がった」と山本さん
山本さんは、「将来、後輩たちがこのシステムを完成させて、実際に活用された場合、社会に大きく貢献できると思います。そのような期待を持てるという意味でも『奨励賞』という賞をいただけたのではないかと思い、とても嬉しいです」と受賞の喜びを話してくれました。
お二人の研究成果は、研究室の後輩たちに引き継がれます。
大城戸さん、山本さん受賞おめでとうございます!
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。