JAXAの技術者が講演「航空宇宙開発に不可欠の学問とは?」~知能機械工学科
2023.03.07
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本学・知能機械工学科の授業「社会実践D・H」では、現場で活躍する技術者を招き、学生に向け講演を行っています。第8回講義では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の将来宇宙輸送系研究開発で19年活躍する、南吉紀さんにご講演いただきました。
「航空宇宙開発への入口」と題した示唆に富む講義が行われました
南さんは、航空宇宙工学の主な要素を次のように列挙しました。
「機械力学、構造・材料力学、流体力学、熱力学の4大力学に加え、電気・電子工学、情報工学。これらが、航空宇宙開発の入口となるものです」
南さんは、飛行機や人工衛星、宇宙輸送などの実例を引きながら、どの学問がどう応用されているか、わかりやすく説明しました。また、宇宙からの帰還におけるさまざまな工夫の紹介や、GPSや天気予報に関わる人工衛星についての技術的な説明もいただきました。
広島出身の南さんの講演を熱心に聞く学生たち
南さんは、ご自身が従事するCALLISTOについても紹介しました。
「このプロジェクトは、ロケットの再使用化をめざした取り組みで、ドイツ・フランスなど国際的な協力によって進められています」
そして、「航空宇宙開発において、学問とは、問題解決のためのツールです。このツールを身につけることが、新たな研究・開発に取り組む第一歩になります」と結びました。
オンラインで講演してくれた南さん
学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました
講演後、学生から多くの質問が飛びました。
「南先生にとって研究の最終目標は何ですか」
「JAXAは有人宇宙飛行にチャレンジするのですか」
これらの質問に、南さんは一つひとつ丁寧に答えました。そして、「私は決して優秀ではありません。しかし、夢をあきらめずにやってきたおかげで、今の仕事ができています。みんなも夢を持って学んでください」と、メッセージを送りました。
「流体力学の重要性を実感した。学んだことを人力飛行機制作など人力飛行機部の活動にも活かしたい」と語る、2年次の井村さん(山口県立長府高等学校出身/山口県)
因さん(広島県立祇園北高等学校出身/広島県)は「人力飛行機部で飛行機の制作に取り組んでいるが、航空や宇宙の分野が4大力学の集大成であると改めてわかった。各分野の法則などをしっかり学びたい」と話します
宇宙開発の最前線で活躍する技術者の言葉は、学生の胸に響いたでしょう。また、現在学んでいる学問が社会でどのように応用されているのか、実感する機会になったのではないでしょうか。
お忙しい中、学生のため時間を割いてくれた南さんに、心より御礼申し上げます。
※新型コロナウイルス感染症対策を講じ、取材・撮影を行っています。