研究の集大成を発表。「博士論文公聴会」を実施しました。
2023.04.28
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本学の大学院博士後期課程の学生が論文発表を行う、博士論文公聴会を実施しました。
工学系研究科 博士後期課程 知的機能科学専攻の乾さん(兵庫県加古川西高等学校出身/兵庫県)が『ギターアンプシステム信号増幅回路における内蔵デバイス非線形特性の解析と歪伝達特性のモデリングに関する研究』という題目で発表を行いました。
この研究は、ギターの音を出す「ギターアンプ」の真空管内部で生じる電気信号の増幅の様子をモデル化するというもの。半導体の時代に今なお、無線、電子楽器の分野で広く使用されている真空管。非線形のため簡単なモデルは再現できません。乾さんは、複数の真空管の増幅率を測定し、研究室で築かれた手法をベースに自分のアイデアを付加。パラメータを求めるアルゴリズムを考案し、システムを自動化しました。
先輩から引き継いだ研究でしたが、システムの自動化に成功したのは乾さんが初
「音響心理に使える定量的なモデルを作ることができたら、ミュージシャンへの指導の場等、実社会でも応用ができるのではないか」と乾さん
この他にも、在学中に複数の論文を執筆した乾さん。2022年度電子・情報・システム部門電子回路研究会での論文発表『動作原理に基づく三極真空管における高精度物理パラメータの自動抽出手法』は、研究会活性化への貢献を評価され、技術委員会奨励賞を受賞しました。
「査読つきの論文は専門家による評価・検証があり、通すのに苦労した」と振り返ります
乾さんは、この春、大学院を卒業し、就職予定です。「これまで、大学と大学院での研究の中で、自分でプログラムを書いたり、自動化したりさまざまな経験をしてきました。その経験が、今後業務の自動化等にいかせるのではないかと思います」と話してくれました。
本学は、今後の益々のご活躍を応援しています。