全国8工科大学の学生が連携し、宮島町家の課題解決策を模索~工大サミット連携PBL(解決提案編)
2023.10.20
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本学では毎年全国の工科系大学と連携し、宮島町家の保存・活用に取り組む大学連携PBL(課題解決型学習)を実施しています。
今回は北海道科学大学、東北工業大学、神奈川工科大学、福井工業大学、愛知工業大学、大阪工業大学、福岡工業大学、広島工業大学の学生併せて60人が参加。
8月に行われた前半プログラム(課題発見編)で見つけた課題に対し、解決策を検討してプレゼンテーションしました。
全国から参加した学生たち。大学の垣根を超えてチームを組み、課題に取り組んだ
解決提案編の初日は実際に宮島を訪れ、前半プログラムで発見した課題をもとに、宮島の住民や観光客などに対する聞き取りや、町家の建物そのものの調査を行い、各班のメンバーが解決策について話し合いました。
2日目の午前中は、前日に出た解決策のアイデアを、プレゼンテーション資料にまとめていきました。
福岡工大の学生「専門が異なるメンバーとアイデアを出し合うことで、地域の役に立つアイデアが出せたと思います」
北海道科学大の学生「他大学の学生と仲良くなり、協力して進められて楽しかったです。建築に関することを始め、色んな話を聞けました」
暮らしている地域や大学、専攻、学年など環境がまったく異なる学生たち。多様な視点からの意見を活発に交わしながら、協力して資料を作り上げました。
広島工大の賀谷さん(広島県立呉宮原高等学校出身/広島県)は、「初対面の人と仲良くなれて、英語の聞き取り調査も積極的にできました」と成果を感じていました。
広島工大・植松さん(広島県立廿日市高等学校出身/広島県)「大学もバラバラの班をまとめるリーダーを任され、自信がつきました」
午後は班ごとに制作したスライドを流しながら、それぞれが発見した課題や付加価値、アイデアを発表しました。
観光客と住民の双方が利用できる複合施設を作成する案や、現状を維持したいという住民の要望と高齢化を考慮した案のほかに、老朽化が進む町家の修繕に取り組む協力プロジェクトやボランティアの組織化なども提案されました。
新設される宮島訪問税の使い道として町家を改修した島民も使いやすい休憩所の設置を提案する班も
町家の通り庭や中庭から採光する設計の住宅や宿泊施設、レストランに
発表の後は、ゲスト審査員の廿日市市役所 歴史まちなみ推進係の二宮さんと平本さんから講評をいただきました。
「重要伝統的建造物群保存地区に指定された建物を大切にする意見が多く参考になった」と二宮さん
「高齢者のこのまま維持してほしいといった声が生かされたアイデアがあって嬉しい」と話す平本さん
本学の森保洋之名誉教授は「宮島町家の特徴を踏まえた面白いアイデアばかりだった」と学生の取り組みを評価しました。
「たくさんのアイデアの中で、ポイントを絞った取り組みに注力することも大切」と森保名誉教授
発表後の学生たちは別れを惜しみながらも互いの労をねぎらい、帰途につきました
遠方から参加いただいた学生の皆さん、ありがとうございました。
今回の取り組みや他大学の学生との交流の経験が、皆さんの将来に役立つことを願っています。