「自然科学への好奇心」を、高大連携で育成~岩国高校の生徒が研究のため来学
2023.10.06
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本学は高大連携の一環として、山口県立岩国高等学校の授業「理数探究」の支援を行っています。これは同校生徒が理系の研究テーマを自由に設定し、それに向けて各自で実験を進めるもので、本学は通常の高校では用意できない研究設備を高校生に開放し、併せて実験指導や要点解説まで行っています。
今年度は、「音が植物の生育に与える影響」と、「植物抽出液の種類による紫外線吸収量の違い」を研究テーマに設定した高校生達が来学し、食品生命科学科・今井准教授の支援のもと、7月から研究を進めています。
今井准教授を訪ねた岩国高校のみなさん
「生物班」は、様々な音楽を流した環境で生育させた豆苗を持参
生物班の生徒達は「音楽を流しながら豆苗を育てた場合、細胞内でつくられるタンパク質の量に変化はあるか」という問いに取り組んでいます。また化学班の生徒達は、「植物の種類によって、葉の抽出液による紫外線吸収の反応はどのように違うのか」をハスと緑茶のそれぞれの茶葉を実験材料に用いて調べています。
「化学班」が持参したのは、ハスと緑茶の葉の抽出液
豆苗を一株ずつ取り出し、生体重量を測定
植物抽出液を撹はん機でよく混ぜます
マイクロピペッターの使い方を指導する今井准教授
「最新設備で研究していると、知りたいことがもっと出てくる」と興奮気味に語る高校生たち。大学の設備に囲まれ、一足先に大学生の学びを体験したかのようです。
指導にあたった今井准教授は、
「自分達で調べたいことを探し、研究テーマに設定するというのは、簡単なことではありません。さらに、実験方法についてもデザインするとなると、大抵の場合うまくいかないものです。でも、そのうまくいかないことが大切な学びだと思います。どうすれば目的に到達できるのか、自ら考え試行錯誤することこそが、研究の第一歩です」
と語ります。
遠心分離機を使用する実験を初めて体験
分光光度計でタンパク質量を計測しました
これまでの実験で高校生たちは、栽培環境の違いで豆苗中のタンパク質量に差が出る可能性があるという結果を得たり、ハスの葉と緑茶の葉の抽出物に異なる紫外線吸収パターンを観察したりしています。これからも、高校生の探究はまだまだ続きます。本学は、学びを深めたい高校生をサポートすることで、地域に貢献していきます。