プロマネとしてSLIMの月面着陸を支えた下地教授に、開発秘話をお聞きしました
2024.03.18
このニュースは、クローズされました
2024年1月20日に月面着陸を成功させた、小型月着離陸実証機(SLIM)。今回、SLIMは、誤差わずか10m程度という世界初の「ピンポイント着陸」を達成したのです。
このSLIMプロジェクトの一翼を担ったのが、機械システム工学科・下地治彦教授です。下地教授は2022年秋まで三菱電機(株)に在籍。約7年にわたり、同社におけるSLIMプロジェクトのマネージャーとして、JAXAの指導のもと機体開発を牽引していました。広島工業大学に移籍後は、JAXA側の関係者の立場となり、SLIMの開発・運用の後方支援を行ってきました。
世界初のピンポイント月面着陸に成功したSLIM
「通信衛星などであれば、既に技術が確立されています。しかしSLIMのような探査機は未知の要素が多く、過去の蓄積だけでは太刀打ちできません。設計を進める中で問題が次々と発生し、その度にイチから見直す...の繰り返しでした。トライ&エラーを重ねたおかげで、スタート当初に構想していたSLIMと、実際に完成したSLIMでは全く別物と言っていいくらい、形状も機能も異なる機体になっていました」
特に「着陸直前の最後の30分間は、それまでの知見が通用しない、別次元の空間だった」と振り返る下地教授。SLIMの関係者の1人としてJAXA相模原キャンパスのサブ管制室からSLIMのチャレンジを見届けました。
「JAXAの指導のもと三菱電機の後輩たちが一体となって、すばらしい成果を出してくれた、と喜ばしく思います。しかし、世界の月探査はこれからが本番です。SLIMの成果を発展・活用する月探査計画が既に始まっています」
機械システム工学科・下地教授
今後は学生とともに研究を重ね、月探査に寄与したい、と語る下地教授。本学も、宇宙開発の未来につながる下地教授らの努力を、しっかりサポートしていきます。