製造現場の課題を調査し改善策を提案する地域課題解決型実習報告会を実施
2024.04.08
このニュースは、クローズされました
東広島市にある株式会社今仙電機製作所広島工場に協力をいただき取り組んできた、地域課題解決型実習の報告会が行われました。
この実習では、学生たちは実際に企業を訪問し、IE(インダストリアル・エンジニアリング)を用いて、企業が抱える課題解決に取り組んでいます。
※IEとは製造現場の改善を行う手法の一つ
学科の垣根を越えて集まった有志の学生が、授業の空き時間などを利用し取り組んできた
分析結果を発表する金山さん(島根県立三刀屋高等学校出身/島根県)と小林さん(島根県立出雲農林高等学校出身/島根県)は、9月に同社を訪問し現場を調査しています。車の部品を生産するラインの様子を動画で撮影し、持ち帰った情報を大学で分析して課題を抽出。改善策の検討を重ねました。
報告会に向けて作り込んだプレゼン資料を用いて、分析結果を報告
今回の目的は、9つの製造工程に対して機械別の作業時間を分析し問題となる作業や原因を調べること
二人は他の工程よりも作業時間を要し、時間にもばらつきがある1工程に着目。その工程をさらに分析し、全体のサイクル作業への影響を調べました。サイクル作業では一定の移動ルートであることが望ましいが、この工程については、作業後の移動先にばらつきがあることをグラフを使って指摘しました。企業の方もこのグラフについて、「初めて見たが、非常にわかりやすく、今後活用を検討する」とコメントをいただきました。これらの分析結果から作業の安定のためには作業員の熟練度、習熟度の向上や作業員の増加などの対策が必要と提案しました。
株式会社今仙電機製作所広島工場の杉田さんと赤石さん
発表を聞いた赤石さんは「発表の資料がわかりやすく新たな課題を発見しました。資料や提案をもとに現場で再確認して改善につなげたい」と、杉田さんは「次のステップとして、製品の品質向上など他の視点からの提案も期待したい」と声をかけていただきました。
発表を終えて肩の荷がおりたという小林さんと金山さん
「途中何度も投げ出したくなることもありましたが、今日の発表の日を迎えられて良かった」と二人は微笑みます。
「動画を何度も確認し分析する作業は大変でしたが、提案を受け入れていただけて、自分が取り組んだ意義を感じました」と金山さん。小林さんは「調査して分析、提案するという経験を、今後の大学での学びに生かしたいです」と感想を語ってくれました。
本学では今後も、社会とのつながりを通した学びを深め、社会に貢献できる実践力を養成していきます。
ご協力いただいた株式会社今仙電機製作所広島工場の皆様、ありがとうございました。