業務用ドローンの最高機種を使った測量を体験 ~環境土木工学科
2024.06.17
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社会基盤を支える土木工学を学ぶ環境土木工学科。同科3年次生の必修科目である「空間創造設計」では、安全で快適な都市空間をつくる課題に挑戦しています。学生たちは課題を通して計画・立案し、工学の立場から問題を解決する力を修得します。また、この講義は、地域と連携した社会実践型の講義に認定されており、毎年、地域の企業の方に役立つ技術をご提供いただき、行政事業に関わる課題に取り組んでもらいます。
同講義の第3課題では、アメリカの都市計画家ケビン・リンチの手法を用いて大学構内の問題点や課題を抽出し、解決する方法をプレゼンテーションします。
まずは構内の現況を調査しキャンパスマップを作製するために、ドローンによる3D測量を行いました。
使用したのは測量用ドローンとしては最高機種の業務用ドローンMartrice300RTK
ご協力をいただいたのは、広島市西区に本社がある相生エンジニアリング株式会社の皆様にお越しいただき、技術者の高橋さんにアゼリア広場で実演していただきました。
モニターにはドローンの高度や飛行速度、風速、受信衛星数、などがわかるプロポ画面が表示されている
ドローン測量は、有資格者で空撮の許可を受けた技術者でないと行えない
今回は約70メートルの高さまでドローンを飛行させ、測量を行います。
緑で記されたラインが今回の飛行ルート
あっという間に上空へ。八の字を描きドローンの位置を正確にするキャリブレーションを経てから測量地点に向かう
スタート位置に移動後は自動飛行に切り替え、定められたルートに沿って測量を開始
講義の後半は、高橋さんによる測量データを用いた地形平面と3Dモデルの作成についての説明が行われ、キャンパスの3Dデータに感嘆の声が上がりました。
講義では飛行概要のまとめから始まり測量データを解析し、点群データによるマップやオルソ画像の作成、地形平面図の作成ができるまでを説明いただきました。また、実際の現場では3Dモデルがどのように活用されているのかの実例や、同社が集めたアンケートへの回答なども紹介していただきました。
「今は平面図が主流でそれを3Dにするが、近い将来は3Dが主流になり必要に応じて平面図を作製するようになる」と高橋さん
その後、この講義3つ目の課題について説明がありました。大学の現状を確認し、大学のキャンパスは学生間でどのように認知されているかを調査し、キャンパス内の問題点や課題点を地図情報にまとめ、その解決策を考えようというものです。課題の取組には、今回の測量の結果が役立ちます。
課題に取り組みながら、卒業研究で必要となる現況調査の実施と分析を練習する
この授業を担当する今川准教授も「これからの技術者に欠かせない空間把握能力を育む授業を1年次生から行っている」と話す
同講義の最終課題では、広島市の都市問題を対象とした計画を課題とします。授業での成果は広島市職員の方に対してプレゼンテーションを行い、ご講評いただく予定です。講座終了後は計画系に興味のある学生は、交通計画、景観工学、空間創造実習へと学びを深め専門性を身につけていきます。
貴重な機会をご提供いただいた相生エンジニアリング株式会社には、改めてお礼申し上げます。