緩やかに外と内を繋げる新築住宅が完成~田中建設とのモデルハウス建築共同プロジェクト~
2024.10.29
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建築デザイン学科では3年次後期に、社会実践的なものづくりを学ぶ実習「デザインスタジオ」を開講しています。
同実習の一環として取り組んだ田中建設株式会社(本社:山口県)と行う共同プロジェクト『熊野町モデルハウスプロジェクト』で、学生がプランしたモデルハウスの完成披露式典が開かれました。
通気と採光、目隠しのための格子がアクセントとなった建物の外観
竣工式とテープカットの様子
式典では学生を代表して古瀬さん(広島県立広島井口高等学校高校出身/広島県)が「プロジェクトでは構造や設計だけではなく、壁紙を選んだりコンセントの位置を考えたりと実際に住む人のことを考えることの大切さを実感しました」と挨拶しました。
関わってくださったすべての方に感謝を伝えたいと話す古瀬さん
学生の自由な提案を実現できたのは、田中建設の高い技術力のおかげ。大学ではなかなか提供できない機会をいただき、大変感謝していると挨拶する上野先生
昨年の学内コンペで選ばれた建築プランは「土間を家族で囲む家」。玄関から続くカウンターキッチンなどを配した土間、ウッドデッキ、LDKをあいまいにつなげることで、回遊性が高く家族の視線が交わりやすい一体感のある空間を作りました。建設中は学生たちも何度か現場に足を運び、細かな部分を決めていきました。
プランが採用されたB班のメンバー4人。「CGパースや模型で苦労しながら検討した空間が実現できて嬉しいです」と完成した建物に感動の声を上げていた
玄関から続く土間にあるキッチン。立ち寄った人との会話も弾む
玄関から2階の階段ホールへの吹き抜けのおかげで家全体に明るい光が差し込み、空間が緩やかにつながる
2つの子ども部屋はワークスペースでつなげ、休む空間と作業部屋を分けることで集中を促す構造にした
熊野町は平成30年7月豪雨の経験から、防災意識が高い町という特徴があります。学生たちは地域の防災拠点などを訪れて勉強するうちに、建物の耐震性などと同時に、地域の人のつながりも防災に大切だと気付いたそうです。
この家では、土間を通して家族だけでなく周囲の人とのつながりを活性化することがコンセプトになっています。
プロジェクトを担当した同社設計次長の野村さんは「学生の自由な発想を形にしていくことは私たちにとっても新たなチャレンジでした。新しい暮らし方の提案に繋がる建築がどう評価されるか楽しみです」と話していました。
田中社長(後列中央)と野村さん(後列左から2番目)は、ともに広島工業大学出身
新築住宅を建築するという貴重な経験を通し、学生たちは大きな学びを得たようです。田中建設の皆様、本当にありがとうございました。